中国、核実験場再建か 衛星画像分析で判明―米報道
- 2023/12/22
- ウイグル情勢
ワシントン時事 2023年12月21日22時32分
【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT、電子版)は20日、人工衛星画像の分析の結果、中国が新疆ウイグル自治区ロプノールにある核実験場の再建を進めている可能性があると報じた。核実験再開の準備との見方も出ているという。
米国家地理空間情報局の元分析官が、ここ数年にわたり撮影された衛星画像を分析した。画像には、核実験場で道路や送電線、変電所などに加え、大規模な掘削装置が新設された様子が捉えられている。元分析官は同紙に「全体的な兆候としては、実験の準備を進めている」と指摘した。
中国はロプノール実験場で核実験を繰り返していたが、1996年を最後に爆発を伴う実験を停止。包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准しておらず、米英仏と同様、爆発を伴う核実験のモラトリアム(一時停止)を宣言している。
米政府は2020年、中国がロプノール実験場で「高水準の活動」を続けており、一時停止を順守していない恐れがあると懸念を表明。NYTは一部の核専門家の見解として、中国が臨界前核実験を準備している可能性などに触れている。
米国防総省は10月、中国が5月時点で運用可能な核弾頭500発以上を保有しており、30年には1000発以上になるとの推計を公表。核戦力の急激な増強に警鐘を鳴らしている。