ムカイダイス先生により連続講演会(第3、4回目の記事)

【背景】
日本ウイグル協会は、ウイグル人が受けているジェノサイドの実態を研究者、専門家によって学術レベルに引き上げるために、日米の専門家とともに、2020年10月から全世界の学術関係者を対象とした署名活動を開始しました。現在までに、日本を含む各国の500名以上の学術関係者に署名していただいています。活動内容については、以下のウェブサイトをご覧ください。(https://scholars-against-uyghur-genocide.org/)

この活動の第2段階として、署名していただいた学者の方々や参加を希望される方々を対象に、世界各国のウイグルジェノサイドに詳しい専門家を招き、「ウイグルジェノサイドの実態」というテーマで、12回オンラインフォーラムを開催致しました。

今年度は第3段階として、ウイグル人の生活と文化、ウイグルジェノサイドが行われた理由、新疆生産建設兵団の役割などウイグル人が現状に至るまでの経緯を深く理解していただくために、ムカイダイス先生を招き、6回に渡って、講演会を行うことにしました。

6回の中3回目と4回目をまとめて記事にしました。詳細はYouTube(日本ウイグル協会 – YouTube)でご覧ください。

オンラインウェビナーは、講演、証言者の証言、および質疑応答セクションから構成されました。

第3回目:一つの東トルキスタンに二つの統治機構:新疆ウイグル自治区と新疆生産建設兵団が存在する

8月26日には、日本ウイグル協会の主催で3回目として「一つの東トルキスタンに二つの統治機構:新疆ウイグル自治区と新疆生産建設兵団が存在する」というテーマの講演会を開催しました。

講演:
最初に、ムカダイス先生が新疆生産建設兵団(XPCC:Xinjiang Production and Construction Corps)の設立背景や存在する意図について幅広い内容を紹介しました。特に国民党の蒋介石を含む中央政府の要人たちは「新疆」という名前が新たに統治された領土としての植民地化を示すことに危機感を覚え、この名を無くしながら東トルキスタンを六つに分離する為に動いたこと、共産党が国民党時代に実現てきなかった東トルキスタンを分離することを目論見,兵団というこの組織の設立の意図や、なぜ「新疆ウイグル自治区」には「二つの新疆」という概念が存在するのか、XPCCの面積、位置情報、兵団員の所属と戸籍、兵団の役割、そしてこれら二つの統治機構の相互関係、共産党による東トルキスタンの分断と管理政策、(中華人民共和国の憲法で保障され自治権が与えられた新疆ウイグル自治区にある自治区に属さない違法組織である兵団の問題点とウイグルの資源が兵団に略奪されている仕組み)ウイグル人ジェノサイドなど、日本人にはあまり知られていない貴重な情報が提供されました。これらはウイグル人や研究者の視点からわかりやすく説明されました。

証言:
講演の後、証言セクションでは在トルコウイグル人女性のZeynure Obul氏(ゼイヌレ・オブル)が、夫についての証言を行いました。彼女によれば、夫のイドリス・ハサン氏(Idris Hasan)は2021年7月19日にモロッコに入国する際に逮捕され、カサブランカ近くの刑務所に収監され、その後家族や3人の子供とずっと会っていない状態で、孤独で過酷な生活を送っており、すでに2年が経過しています。Zeynure Obul氏は夫の早期釈放を訴えました。詳細な情報を知りたい方は、以下のリンクからご覧ください。

ウイグルの絶望、海外に避難しても…「中国からの要請だ」逃げ込んだ国まで連れ戻しに協力(47NEWS) – Yahoo!ニュース

質疑応答:
最後の質疑応答セクションでは、ムカイダイス先生が参加者からの質問に簡潔に回答しました。

質問1:兵団は今後どのように発展していくのか教えて頂きたい。
回答:まず、中国共産党の(自治と)民族政策は人口の(漢民族の人口逆転させることと漢民族を多く入植することにより人口優良化で)調整を中心としており、漢族の人口をウイグル人よりも多く増やすだけでなく、ウイグル人が多く住む高密度地域や若者が多い地域を問題視しています。今後の政策として、兵団を中心に漢族の人口を現在の5%から7%に増やすとされており、このため南ウイグルのようなオアシス地域では水と土地の限界があるため、ウイグル人を強制労働(の為に内地に移し、新たな開拓できる所はもうない為に、兵団によって増加下漢族でウイグルの土地)を取り込もうとしています。その結果、ウイグル人の少ない地域が生まれ、最終的にはウイグル自治区という行政区画が失われる傾向があると言えます。

質問2:新疆生産建設兵団の人口が400万人に達していると言われていますが、現在のウイグル自治区の総人口は2600万人ほどと考えています。しかしこの中に新疆生産建設兵団の人口が含まれているのか、もしも新疆生産建設兵団の人口が加えられているのであれば、逆転現象はすでに完全に起こっているのでしょうか。お知恵をお貸しいただければ幸いです。
回答:新疆ウイグル自治区の人口には、新疆生産建設兵団の人口は含まれておらず、新疆生産建設兵団はウイグル自治区の一部ではないことに注意が必要です。また、軍籍の400万人を考慮しなくても、漢民族の割合は42%という数字は以前から変わっていない点にも着目していただきたいです。既に逆転の現象もすでに発生しています。

第4回目:ウイグルジェノサイドと国際社会

9月23日には、日本ウイグル協会の主催で4回目として「ウイグルジェノサイドと国際社会」というテーマの講演会を開催しました。

講演:
最初にムカダイス先生はまずウイグルジェノサイドが行われている理由として中国の「中華民族共同体」と「中国夢」世界進出実現のためにウイグル人のアイデンティティーが問題視されていることを述べました。

その後、政策として中国がウイグルジェノサイドを「テロ思想に染まっている者を教育している」と主張していました。しかし、生還者の証言、公安ファイルの流出等を基づいたイギリスで行った「ウイグル法廷」の認定、国連人権委員会のウイグルに関する報告書の発表、アメリカはじめ11カ国や議会のウイグルジェノサイド」認定することで中国に非難していることを語りました。また、中国がウイグルジェノサイドを正当化する為に作り、運営していたウイグル人に見せかけた女性を含む10人の中国共産党特製テロ組織がアフガニスタンで逮捕され,世界的な大ニュースになったことを述べた。

最後にはウイグルジェノサイドの事実を証明することに貢献して頂いた3人を紹介しました。

証言:
講演の後の証言セクションでは、在日ウイグル人、ハリマト・ローズ氏がご自身の体験に基づき、「スパイ行為を要求、家族を“人質”に…在日ウイグルに中国の抑圧」という内容で証言してくださいました。詳細は以下のリンクからご覧いただきます。

スパイ行為を要求、家族を“人質”に…在日ウイグルに中国の抑圧|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)

質疑応答:
最後の質疑応答セクションでは、ムカイダイス先生が参加者からの質問に簡潔に回答しました。

質問1:「ウイグルジェノサイド」に関して中国から“デマ”と言われていて、それに信じている日本人が多い現状に対して先生はどう思っているのか?
回答:中国がウイグルの実体を否定していると言う日本社会の質問に対していつも投げ入れている答えの一つは、私たちウイグル人は「ウイグルジェノサイド」における沢山証拠を持っている、中国はこれを否定すれば、否定できる証拠を出して欲しい;例えば、現在国連報告二つ、また、新疆ファイルが出されているから、それを嘘と言うのであれば、その証拠を出さないといけない。

今後の予定

ウェビナーシリーズの5回目は10月21日(土) 19:30に「新疆生産建設兵団はウイグルジェノサイドの担い手」というテーマで行われる予定です。
(申込サイト : https://forms.gle/BhPpmLKsHzaWt2yf7)。

本ウェビナーの目的は、ウイグルジェノサイドの具体的な内容と新疆生産建設兵団がどのような役割を果たしたかについて詳しく伝えることです。

在日ウイグル人証言録

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