ムカイダイス先生により連続講演会(第1、2回目の記事)

【背景】

日本ウイグル協会は、ウイグル人が受けているジェノサイドの実態を研究者、専門家によって学術レベルに引き上げるために、日米の専門家とともに、2020年10月から全世界の学術関係者を対象とした署名活動を開始しました。現在までに、日本を含む各国の500名以上の学術関係者に署名していただいています。活動内容については、以下のウェブサイトをご覧ください。(https://scholars-against-uyghur-genocide.org/)

この活動の第2段階として、署名していただいた学者の方々や参加を希望される方々を対象に、世界各国のウイグルジェノサイドに詳しい専門家を招き、「ウイグルジェノサイドの実態」というテーマで、12回オンラインフォーラムを開催致しました。

今年度は第3段階として、ウイグル人の生活と文化、ウイグルジェノサイドが行われた理由、新疆生産建設兵団の役割などウイグル人が現状に至るまでの経緯を深く理解していただくために、ムカイダイス先生を招き、6回に渡って、講演会を行うことにしました。

6回の中1回目と2回目をまとめて記事にしました。詳細はYouTube(日本ウイグル協会 – YouTube)でご覧ください。

オンラインウェビナーは、講演、証言者の証言、および質疑応答セクションから構成されました。

第1回目:ウイグルの生活と文化について

6月24日には、日本ウイグル協会の主催で1回目として「ウイグルの生活と文化」というテーマの講演会を開催し、112人が参加しました。

最初に、ムカダイス先生による講演が行われ、ウイグルの生活と文化について幅広い内容が紹介されました。まず、ウイグルの歴史から始まり、母国である東トルキスタンの地理、面積、地域ごとの文化の違い、気候、生業、天然資源などが紹介されました。また、ウイグルの衣食住の観点からウイグルの各時代の衣服と続くとより学問的になります、ウイグル語とその歴史、ウイグルの衣服、食事、建築、宗教や信仰、年中行事、人生の儀礼、音楽と舞踊、そしてウイグル文学について、ウイグル人や研究者の視点からわかりやすく説明がありました。

講演後の証言セクションで、在米ウイグル人活動家のアリスラン氏が証言しました。彼によると、彼の岳父は懲役16年11ヶ月、岳母は13年、義弟は15年11ヶ月の刑を言い渡され、義兄は2016年に7年の刑を言い渡されました。その後、おそらく義兄は釈放されているはずですが、連絡が取れず、現在の状況は不明です。アリスラン氏は、このように強制収容されていることについて、中国政府によってウイグル人が勝手に拘束されることは非人道的な罪であると主張しました。

最後の質疑応答セクションでは、ウイグルの現状、各国による非難決議の影響、東トルキスタンの近隣諸国およびイスラム世界からの支援の有無、ウイグル文化の保存活動などについて質問応答が行われました。

第2回目:ウイグルがなぜ中国共産党の植民地となったのか

7月29日には、日本ウイグル協会の主催で2回目として「ウイグルがなぜ中国共産党の植民地となったのか」というテーマの講演会を開催しました。

本講演では、ムカダイス先生により、「東トルキスタンがなぜ中華人民共和国の植民地になったのか?」について詳しく説明されました。まず、東トルキスタン共和国と中国共産党の関係について、1949年8月22日以降、東トルキスタン共和国が中華人民共和国の支配下に入った経緯や、東トルキスタン共和国のリーダーや軍のトップたちの謎の飛行機事故と消滅の真相について説明されました。また、東トルキスタンが中国共産党に支配された理由の一つとして、国民党の残党との結びつきが挙げられ、1949年以降、新疆省人民政府主席と称するブルハン・シェヒディ氏が中国共産党に協力していたことについても詳細に解説されました。さらに、東トルキスタン民族軍についても触れられ、中国共産党が東トルキスタン共和国を「三区革命」に、東トルキスタン民族軍を「中国人民解放軍第5軍(通常三区民族軍」に、「占領」を「和平解放」に改名した時期と背景についても説明されました。

このような東トルキスタン共和国の近現代史を踏まえた背景から、私たち東トルキスタンの人々がどのような現実を直面しているのか、中国共産党の主張には根拠がないという事実を知ってもらうことが本講演の目的でした。

講演後の証言セクションでは、在米ウイグル人活動家のArafat Erkin氏が、父親のErkin Tursun氏についての証言を行いました。彼によると、Erkin Tursun氏は2018年3月に収容され、無事実の罪で懲役20年の刑を言い渡されたとのことです。Arafat Erkin氏は、中国政府に対してジャーナリストのErkin Tursun氏を即座に釈放し、投獄された報道関係者をプロパガンダに利用することをやめるよう訴えました。

最後の質疑応答セクションでは、参加者からは講演が非常に参考になったという感謝の声が寄せられ、特に1944年から1949年のウイグルの歴史に対する理解の重要性が強調されました。

今後の予定

ウェビナーシリーズの3回目は8月26日(土) 19:30に「一つの東トルキスタンに二つの統治機構「新疆ウイグル自治区」と「新疆生産建設兵団」が存在する」というテーマで行われる予定です。(申込サイト : https://forms.gle/BhPpmLKsHzaWt2yf7)

本ウェビナーの目的:東トルキスタンに設置されたもう一つの知られざる統治機構である「軍政党企」一体の新疆生産建設兵団を通して中国共産党の東トルキスタンにおける主権と治権の矛盾について伝えることです。

在日ウイグル人証言録

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