ウイグル問題で「海外の履歴追跡強化」 日本紡績協会会長に竹内氏
- 2023/6/8
- ウイグル情勢
日本紡績協会は7日、大阪市内で定期総会を開き、会長に東洋紡の竹内郁夫社長(60)、副会長に富士紡ホールディングスの井上雅偉(まさひで)社長(59)を選出した。任期は1年。竹内氏は総会後の記者会見で、綿を生産している中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区で強制労働の疑いが指摘され、人権問題への対応が求められていることについて「製品のトレーサービリティ(生産履歴の追跡)を高めていく必要がある」と述べた。
竹内氏は「会員企業は各社とも新疆綿を使っていない。海外のグループ会社の調達については各社で確認している」と話した。
米国で2021年12月、同自治区を産地とする物品の輸入を原則禁止する「ウイグル強制労働防止法」が成立。同協会は「(同法による)直接的な影響は会員で確認されていない」とするが、海外で中国製の素材を調達することもあり注意が必要という。
また、ポリエステルやナイロンなどを使った製品が廃棄されると環境を汚染するとして、業界ではリサイクル生産が課題となっている。竹内氏は「リサイクルを証明する製品表示には技術的なハードルがあるが、消費者の安心につながる。政府の取り組みに積極的に参加し、表示の標準化作業に貢献したい」と意欲を示した。(牛島要平)
https://www.sankei.com/article/20230607-WQJYQ74VYFL65KNX3QJFYVAKJ4/