カナダ人権調査機関、ナイキなど2社にウイグル強制労働の調査開始
- 2023/7/12
- ウイグル情勢
[オタワ 11日 ロイター] – カナダの「責任ある企業のためのカナダ・オンブズパーソン(CORE)」は11日、中国でのサプライチェーン(供給網)や事業が新疆ウイグル自治区における強制労働への関与が疑われるとして、ナイキ・カナダとダイナスティ・ゴールドの2社に対する調査を開始したと発表した。
COREは2017年にカナダ政府が設立した組織で、衣料品や鉱業、石油・ガスといった分野でカナダ企業の海外事業に伴う人権侵害を調べる。これらの企業に違法行為があった場合も法的に訴追する権限はなく、追加的な対応は議会の専門委員会に委ねることになっている。
2021年にそうした人権侵害の個別事例をCOREに申し立てることができる仕組みが導入され、昨年6月にNPOなどの市民社会組織28団体がカナダの13社の問題を調べるよう訴えていた。
今回の案件はこの申し立てに基づく初めての調査。ナイキ・カナダとダイナスティ・ゴールド以外の11社に関しては、なお状況を検討している段階で、数週間中に何らかの決定が下される見通しだ。
COREのシェリ・メイヤーホッファー氏は「調査の結果に何ら予断を持っていない。われわれは結果を待ち、私の勧告を添えて最終報告を行うことになる」と述べ、対象企業がこのような申し立てにどのような対応方法を選んだかに重大な関心があると付け加えた。
ダイナスティ・ゴールドは、申し立て内容は「全く根拠がない」と主張。ナイキ・カナダはロイターのコメント要請に回答がなかった。
https://jp.reuters.com/article/canada-china-nike-dynasty-gold-idJPKBN2YR1PC