タイ政府は、ウイグル人難民の命を奪う非道な扱いと不当な長期拘留を停止せよ!
- 2023/5/9
- 声明

今年4月下旬、バンコクの入管施設に収容中のウイグル人難民Mattohti Mattursun (Muhammad Tursun)氏が死亡しました。40歳でした。今年2月にも、別のウイグル人難民Aziz Abdullah氏(49歳)がバンコクの入管施設で死亡したばかりでした。
この二人は、2014年に中国当局の迫害を逃れて脱出した、子供や女性を含む数百人のウイグル人難民の一員で、9年以上もバンコクの入管施設に収容されていました。タイ政府は2015年、命の危険に晒されることを知りながら国際法に違反し109人のウイグル人難民を中国へ強制送還しましたが、その後の彼らの一切の消息が不明となっています。一方で、第3国への渡航も許可しないまま9年以上もバンコクの入管施設へ収容された約50人のウイグル人難民のうち、これまでに幼い子供二人と20代の若者一人を含む5人の死亡が確認されています。
入管施設での非道な扱いと不当な長期収容が、ウイグル人難民の命を奪い続ける悲劇について、私たちはタイ政府へ強く抗議し、人道的観点や国際法の観点からウイグル人難民らの非道な扱いと不当な長期収容を止めるよう求めます。
ウイグル人は長年中国当局から深刻な迫害を受けています。中国によるウイグル人らへの非人道的犯罪行為について、国際法上犯罪となるジェノサイド(特定のグループ全体、もしくはその一部を破壊する目的で行われる集団殺害、およびそれに準ずる行為)や人道に対する罪にあたるとの非難の声が国際社会から相次いでいます。これまでに、アメリカ政府、欧州議会、イギリス議会、フランス議会、カナダ議会等11の議会が、ウイグルジェノサイド(或いはその深刻なリスク)を認める決議を採択しています。昨年8月、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)も「人道に対する罪を含む、国際犯罪の遂行」に当たる可能性があると公式に認めました。
このような状況の中、ウイグル人は安全な場所を求めて諸外国へ逃れているのです。タイ政府は、無期限かつ恣意的な拘留を続けている約50人のウイグル人を即時釈放し、家族との再会を許可し、国際調査団の面会と調査を許可し、国際社会と協力し第3国への渡航を許可すべきです。
日本ウイグル協会
2023年5月8日