日本ウイグル協会 世界人権デー声明
イリハム・トフティ氏に自由を、ウイグルに人権の光を!
12月10日は世界人権デーです。皆様もご存知の通り、1948年12月10日、国連にて世界人権宣言が採択されたことを記念してこの日が設定されました。人権宣言の第2条にはこのように記されています。
(世界人権宣言第二条)
すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的もしくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる自由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基ずくいかなる差別もしてはならない。
しかし、残念なことに、現在のウイグル人は、この人権宣言の精神に最も反する民族差別、信仰、言論、集会の自由の剥奪、そして若いウイグル青年の強制拉致などの中国政府によるあらゆる弾圧と民族絶滅政策にさらされているのです。
2014年7月、新疆ウイグル自治区ヤルカンドにおいて、中国軍による大規模な虐殺がウイグル人に対し行われたという情報が現地からもたらされています。しかし、中国政府は事実上の軍事支配を敷き、情報を遮断し、ウイグル人の自由な外出や移動を徹底的に禁じ、この事実を葬ろうとしています。
それでいながら、何の客観的な証拠も示さずに、ウイグル人をテロリスト呼ばわりする宣伝を国際的に行い、そして暴力的な抵抗手段や独立を一切主張せず、中国の憲法にも確約されている正当な民族自治権を求めただけのウイグル学者、イリハム・トフティ氏を逮捕、国家分裂罪というトフティ氏の主張とはかけ離れた罪で11月21日無期懲役の刑を下しました。
このような中国政府の人権侵害は、21世紀の今日、国際社会は許してはならないはずです。
私たちは以下の3点を、この国際人権デーの日に、中国政府と国際社会に呼びかけます。
一、中国政府はウイグルにおける弾圧を直ちに停止し、国際社会の人権査察と自由な報道を受け入れよ。
一、中国政府は無実の囚人、トフティ氏を即時釈放せよ。
一、国連をはじめとする国際社会は、中国政府に対し、ウイグルに対する人権調査団の派遣とトフテイ氏の即時釈放を要請し、仮に中国政府が拒否した場合は、人権宣言に反する行為として、何らかの国際的な制裁をかけることを通告してください。
2014年12月10日
日本ウイグル協会
代表 イリハム・マハムテイ
※PDFファイル(350KB)
https://uyghur-j.org/statement/2014_human_rights_day_uyghur.pdf