漢人の移住
- 2012/1/8
- お知らせ
中国共産党は大量の漢族を移住させることによって、ウイグル人をはじめとする東トルキスタンの原住民をマイノリティにおいやろうとしている。東トルキスタンでの文化や言語、宗教の制限と共に、人口比率を低下させることで中国に同化しようとしているのである。
東トルキスタンが中華人民共和国に併合される以前には、ウイグル人の割合は全人口の八割弱、それに対しての漢人の割合は五割強に過ぎなかった。しかし現在ではおおよそ、ウイグル人四五%、漢人四〇%と、ほぼ同程度にまで追いやられている。
この一九五〇年代から始まった漢人の大量移住は、「辺境」の農業開発や工業開発の名目で進められてきたが、その際の主体的な役割を果たし、漢人移住の受け皿となったのが新疆生産建設兵団である。八二年にはウイグル人と漢人とが同程度になるまで増えたが、九〇年以降は徐々に漢人の割合は減っていった。現在は西部大開発と銘打って、企業や漢人の移住を煽っている。たとえば進出する企業には優先的な融資と優遇税制を実施し、移住する漢人には辺境地手当ての支給や、公務員給与の引き上げなどを行っている。
また経済発展・対外開放の促進ということで、東トルキスタンでも交通網の整備が進み、一九九九年にはカシュガルまで鉄道が延びた。しかし、この交通網の整備により、中国内地との経済的な統合がなされ、さらに漢人の移住が促進されたことによる文化的な統合がなされている。
ウイグル人の心の故郷とも言われるカシュガル市内でも、再開発の名の下に古い町並みや壮麗な空間がどんどん消えてしまっている。カシュガル中心部にあるエイティガール・モスク前の広場には巨大で派手なデパートが並び、それまで形つくられていた宗教的な雰囲気は失われてしまった。