日本に起きている「ウイグルでの弾圧が繰り返される予兆」とは、日本ウイグル協会会長が警鐘を鳴らす“中国当局の本質”《高市政権は一つの希望》

NEWSポストセブン 2026.02.08 06:59

中国・新疆ウイグル自治区に関する「ウイグル問題」。中国当局がウイグル自治区内のウイグル人に対して「テロ対策」などを名目に、大規模な同化政策、弾圧を行っている。

「ウイグルでの現状を放置すれば、いつか日本でも同様の事態が起こる」

そう警鐘を鳴らすのは、日本で問題の周知活動を行う「日本ウイグル協会」のレテプ・アフメット会長だ。【全4回の第4回。第1回から読む】

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協会発足当初から地道な活動を続けているアフメット会長だが、近年は日本でのウイグル問題への関心低下を懸念している。首相が頻繁に変わってきたことを念頭にこう話す。

「ここ数年は日本の国内政治が不安定な状況が続いているように感じています。やはり国内政治の安定がないと、国会などでもウイグル問題へ本気で取り組もうという雰囲気は生まれにくいでしょう。さらにウクライナやパレスチナの問題といった世界情勢の混乱もあり、日本を含めた各国は、今中国との大きなトラブルを抱えたくないという本音はあるはずです。

でも特に日本の人には、ウイグル問題についてどこか遠い国の、自分たちとは関係のないことだとは思わないでほしい」

日本人が間接的にウイグル人の搾取に関わっているとされ、たびたび問題になってきたのは、日本企業や個人が強制労働が関わっているとされる産品を購入していることだ。欧米のシンクタンクの調査では、ウイグル人の強制労働によって作られた部品などが、日本を含む世界中のグローバル企業に渡っているとの報告書が発表されている。

協会ではこうした調査を元に、2020年4月、ウイグル人の強制労働に間接的に関わっていると見られる日本企業約30社を対象に質問状を送付した。結果、電機大手など3社が過去に取引があったことを認めた上で、既に取引を停止したと回答。しかし約半数の企業は無回答、もしくは経営方針についての回答をするのみだったという。

ウイグルの文化を否定され推し進められる同化政策(日本ウイグル協会提供)

「欧米諸国ではウイグル人の強制労働の疑いのあるものを市場から排除していくという流れができており、法整備なども進んでいます。そうなると中国は規制のないところとの取引へどんどんシフトしていくことになる。そこで日本が一つの逃げ道になってしまっているわけです。その状況を許してはいけない。

国際社会では中国当局のウイグルへの弾圧は、集団を破壊する迫害である『ジェノサイド』として認定されている。そういった深刻さを認識していたら、日本の人たちの人間性・性格からして、絶対に加担したくないと思ってくれるはずなんです。企業活動だけでなく、投資や日頃の買い物にしても、その行動の一つひとつがどのような意味合いを持つのかぜひ考えていただきたいです。そして日本のメディアには人々の判断材料となる情報を提供し続けてほしい」(同前)

そんな中、日本では昨年10月、高市早苗内閣が発足した。高市首相はウイグル問題に問題意識を持つ議員により設立された「日本ウイグル国会議員連盟」の副会長を務めている。

「高市先生はこれまで何度もウイグル問題を扱う会合に出席しており、日本の政治家の中でも特に関心を寄せてくださっていると感じています。ウイグル問題を扱ってくれる可能性が高い政権ができたことは、一つの希望だと捉えています」(同前)

2025年11月の高市首相による「台湾有事発言」、12月の沖縄本島南東の公海上空で起きた航空自衛隊のF-15戦闘機に対する中国人民解放軍のJ-15戦闘機による「レーダー照射事件」にも強い危機感を持ったという。

中国当局に「違法」と認定されたイスラム教関連の物品が破壊される様子(日本ウイグル協会提供)

強制収容されるウイグルの人々(日本ウイグル協会提供)

「多くの日本人が今回の一連の流れで、いかに中国そして中国共産党が真っ当な理屈の通じない集団であるか気づく良いきっかけになったのではないでしょうか」と語気を強める。

「私たちウイグル人は、何か罪を犯したとかではなく『ウイグル人として生まれたことが悪い』として弾圧されている。過去、ナチスの時代に一度人類が犯してしまった、決して許されない過ちが繰り返されている。おそらくこのまま日本を含めた世界がこの問題を放置すれば、数十年後にはウイグルの民族の独自性は失われるでしょう。

そしてこのやり方を許せば、中国当局は“成功体験”として味を占め、ウイグル人が滅びた後は間違いなく日本を含めた周辺諸国に対して同じ残虐行為を繰り返すはずです。現に中国は平気で日本の領海領土に侵入し、明らかに嘘と分かる主張を繰り返している。これはウイグルでの弾圧が繰り返される予兆であると感じています」(同前)

アフメット会長はウイグルの変化が短期間で急激に起こった点も強調する。中国人がウイグルに住み始めたのは約70年前。ほとんどが軍人とその関係者であり、人口のたった5%に過ぎなかったという。

「それが今ではウイグル全体の人口の半分を超える勢いです。彼らは人口がある程度増えてくると本質を出してくる。このままの状況であれば、同じようなことを日本でも公然とやり始めるでしょう」(同前)

ウイグル問題に取り組んできた高市首相。解散総選挙の行方をアフメット会長もじっと見守っている。

https://www.news-postseven.com/archives/20260208_2090863.html

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