
本報告書は、東トルキスタンにおけるウイグル人を中心とした現地住民に対する人権状況、歴史的背景、ならびに国際社会・企業活動への影響について、近年公開された複数の資料をもとに総合的に検討するものである。
東トルキスタンは、古代よりユーラシア大陸のシルクロードの要衝として栄え、多民族が豊かな文化を築いてきた。その一方、20世紀以降は中国による統治体制の下で、民族的・宗教的抑圧とともに、経済構造や人口構成の大きな変化が進められてきた。近年、ウイグル人に対する監視・強制労働・同化政策・文化破壊の実態が国内外の様々な調査・証言から明らかとなり、国連や各国政府、国際人権団体によって深刻な人権侵害として問題視されている。
加えて、グローバル化する経済の中で、多国籍企業のサプライチェーンや製品が東トルキスタンの強制労働と結びついていないかが国際的な関心事となっている。アメリカやヨーロッパを中心に輸入禁止措置や規制が強化され、日本をはじめとする諸国でも企業の責任・人権デューデリジェンスが問われる状況にある。
本書では、東トルキスタンの地理・歴史から始め、現代における人権問題の実態と国際的な対応、さらに日本企業を含む経済活動への影響と責任までを概観する。今後の倫理的企業活動や社会的責任について考える上での一助となることを目的とする。
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第一版
https://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20180908.pdf
第二版
https://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20190929.pdf