ムカイダイス先生により連続講演会(第5、6回目の記事)

【背景】
日本ウイグル協会は、ウイグル人が受けているジェノサイドの実態を研究者、専門家によって学術レベルに引き上げるために、日米の専門家とともに、2020年10月から全世界の学術関係者を対象とした署名活動を開始しました。現在までに、日本を含む各国の500名以上の学術関係者に署名していただいています。活動内容については、以下のウェブサイトをご覧ください。(https://scholars-against-uyghur-genocide.org/)

この活動の第2段階として、署名していただいた学者の方々や参加を希望される方々を対象に、世界各国のウイグルジェノサイドに詳しい専門家を招き、「ウイグルジェノサイドの実態」というテーマで、12回オンラインフォーラムを開催致しました。

今年度は第3段階として、ウイグル人の生活と文化、ウイグルジェノサイドが行われた理由、新疆生産建設兵団の役割などウイグル人が現状に至るまでの経緯を深く理解していただくために、ムカイダイス先生を招き、6回に渡って、講演会を行うことにしました。

6回の中5回目と6回目をまとめて記事にしました。詳細はYouTube(日本ウイグル協会 – YouTube)でご覧ください。

オンラインウェビナーは、講演、証言者の証言、および質疑応答セクションから構成されました。

第5回目:新疆生産建設兵団はウイグルジェノサイドの担い手

10月21日には、日本ウイグル協会の主催で5回目として「新疆生産建設兵団はウイグルジェノサイドの担い手」というテーマの講演会を開催しました。

講演:
最初に、ムカダイス先生が新しく出版される「ウイグルを支配する新疆生産建設兵団」という本について簡単に紹介しました。この本の目的は、現在起きている出来事の原因を究明することであり、そして今ウイグルで起きている出来事をお互いに理解し合い、敵対しないための問題解決の可能性を示すものです。

続いて、ムカダイス先生は国際社会や国際メディア、そして国際研究機関の研究によって明らかにされた新疆生産建設兵団(XPCC:Xinjiang Production and Construction Corps)が現在行われているウイグルジェノサイドの担い手であるというテーマについて詳しく説明しました。今回の講演では、兵団が担うウイグルジェノサイドの詳細や、兵団の役割についての国際的な研究、習近平の兵団への指示、中国国内の諸「学説」についても詳しく話がありました。ウイグルジェノサイドを担う新疆生産建設兵団の具体的な詳細な役割について、国際的研究機関による研究が研究者の視点からわかりやすく説明されました。

証言:
講演の後、証言セクションでは在日ウイグル人のムハラム・ムハンマドアリ氏が父親と親戚に関する証言を行いました。ムハラム氏によれば、ふるさとで生活していた父親との連絡がある日突然途絶え、親戚たちが次々と拘束されたと述べました。さらに、彼の大好きな「お兄さん」が、自身の関与により行方不明になったとの報告もあります。詳細な内容は以下のリンクからご覧いただけます。

“お兄さん”は僕のせいで行方不明に あるウイグル男性の後悔 | NHK | WEB特集 | 中国

質疑応答:
最後の質疑応答セクションでは、ムカイダイス先生が参加者からの質問に簡潔に回答しました。

質問1:今日は、詳細はあまり出ていませんでしたが、新疆生産建設兵団の中で、日本に一番関係があると言えば、おそらく太陽光パネルの話だと思います。この辺りについて、手短に説明していただけませんでしょうか。
回答:はい。日本に一番関係があるのは、太陽光パネルをはじめとする製品、特に綿(コットン)ですね。その中で、世界やアメリカ、欧米諸国などでは、太陽光パネルや新疆生産建設兵団のコットン、トマトなどの製品に対して輸入規制が課せられています。輸入禁止や輸入規制が同時に行われており、その中で日本が他の国よりも安価であるため、科学競争では勝てないため、他の国は中国や新疆生産建設兵団から太陽光パネルを購入しています。この流れにより、日本国民のお金が、中国の核兵器やミサイルを所有しているマレー地区など、安全保障上重要な地域においても影響を及ぼしています。新疆生産建設兵団は軍事企業であり、それがウイグル強制労働やジェノサイドに関与しているとされています。これが、日本国民の安全と安全保障に関わる問題であり、軍事的な研究や出費、または自衛などについての議論がなされる中で、アジアの平和と安全を守る上でも重要な要素となっています。この事実を知り、新疆生産建設兵団にお金が流れる仕組みについて国民が討論するべきだと私は個人的に考えています。

質問2:東京都の小池知事は最近、太陽光パネルの設置に積極的に補助金を提供し、各家庭に対して設置を義務化する方針を示しています。これは特に新築の住宅に対しても適用されるとのことで、この取り組みについては非常に憂慮すべきと考えます。
回答:はい。エネルギー問題に関して、私は日本の環境やエネルギーについての専門的な知識はありませんが、太陽光パネルの製造元が中国の軍事企業であり、その企業がウイグルジェノサイドや強制労働に関与しているという証拠があります。これは日本においても重要な問題であり、今、これについて知り、討論するべきであると確信しています。

質問3:中華民族化を強要されているのは、ウイグル人だけでなく、中国国内の様々な民族にも共通して行われているのでしょうか?
回答:ウイグルで強制収容所が建設され、そこで様々な行為が行われているとの情報があります。質問者がモンゴルの事例を参照しているかは不明ですが、モンゴルにおいても学校が禁止され、それが原因で自殺者が出ているとの報道があります。同様に、チベットでも強制収容所が存在するとの報道があります。また、満州族は現在、満州語を話す人がいなくなり、満州文化が滅び、漢化されているとの情報もあります。中国の北における朝鮮族も同様の状況とされています。ただし、残念ながら、現在1000万人以上のウイグル人がこの状況に直面しており、次に多くの人が影響を受けている可能性があるのはモンゴルであると言えるでしょう。

第6回目:日本と世界はどのようにしてウイグルジェノサイド及びウイグル強制労働と結びついてしまったのか

11月25日には、日本ウイグル協会の主催で6回目として「日本と世界はどのようにしてウイグルジェノサイド及びウイグル強制労働と結びついてしまったのか」というテーマの講演会を開催しました。

講演:
最初に、ムカダイス先生は習近平が2013年に提唱した「一帯一路」の仕組み、債務の罠、他国の住民の不満などについて説明しました。そして、「一帯一路」の目的は地域経済を振興できるものでなく、逆に抑えてしまう可能性があると指摘し、その計画が中国に発展途上国の豊富な天然資源へのアクセスを確保するためのものであることを強調しました。その後、ウイグルで行われているウイグルジェノサイドの担い手である新疆生産建設兵団(XPCC:Xinjiang Production and Construction Corps)が「一帯一路」計画で果たす役割や、XPCCがウイグル強制労働を通じて世界的に有名なブランドや企業の生産ラインとどのように関わっているかについて説明しました。最後に、日本の企業とウイグル強制労働の関連性である太陽光パネル問題について述べました。

質疑応答:
質疑応答セクションでは、ムカイダイス先生が参加者からの質問に簡潔に回答しました。

質問1:中国の国内にいる漢民族中で本気でウイグル人に寄り添い人がいますか、漢民族へ期待や希望をできない状態と考えていますか ?
回答:漢民族の中には、ウイグル人に真剣に思いを寄せる人が多く存在しています。ただし、14億人の中でその具体的な割合は分かりません。実際、中国の漢民族の多くがウイグル人について知識を持っていない現状があります。もし、正しい情報が中国に広がれば、ウイグル人のために立ち上がる漢民族も増えることを期待しています。

講演会閉めの挨拶
今回はムカダイス先生の最終講演であり、その締めくくりとして、日本ウイグル協会の会長であるアフメット・レテプ氏が挨拶を行いました。アフメット・レテプ氏は、6回にわたる講演に感謝の意を表しました。さらに、ウイグルジェノサイドを阻止するためには、個々人が沈黙を破り、具体的な行動に移ることが重要であると強調しました。具体的な沈黙破りの方法として、周囲の人に情報を共有することや、ビジネスを営む者は自らの事業がウイグル強制労働と関わらないように注意することなどを提案しました。最後に、今回の連続講演を基にした本が近く明成社から出版されることを伝え、より詳細な内容を得ることができると述べました。

最後に
今回の講演会で、ムカイダス先生の連続講演が終了しました。毎回講演会にご参加いただいた皆様に心から感謝いたします。

近い将来、明成社から6回の講演会がまとめられ、より詳細な内容や証拠を含んだ本が出版される予定ですので、ぜひご期待ください。

在日ウイグル人証言録

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