「多くの国が沈黙を続けている」 世界ウイグル会議総裁が訴え
- 2022/10/1
- 活動報告
毎日新聞 2022/9/30
各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」(本部・ドイツ)のドルクン・エイサ総裁は30日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中国新疆ウイグル自治区での人権侵害を認定した報告書を公表したことを評価。その上で「多くの国が沈黙を続けており、中国のジェノサイドを止めるのに不十分だ」として日本政府や国会にさらなる行動を起こすよう訴えた。
エイサ氏は、「300万人が収容施設で苦しみ、100万人の子どもが親と離ればなれになった」と主張。日本では2月、新疆などでの人権状況に懸念を表明する国会決議が衆院本会議で採択されたが、エイサ氏は人権侵害を問うものではなかったと指摘し、中国の行為について国会などで「ジェノサイドの認定」をするよう訴えた。
OHCHRは8月31日公表の報告書で、新疆で「深刻な人権侵害が行われてきた」と主張し、少数民族ウイグル族らに対する恣意(しい)的で差別的な拘束が「人道に対する罪に相当する可能性がある」と指摘。中国当局は「内政干渉だ」と反発している。
会見には、新疆ウイグル自治区当局の命令で収容施設に教師として派遣されていたケルビヌル・シディク氏も参加。「拷問が行われ、女性は毎週よく分からない薬を投与されていた」などと証言した。【畠山哲郎】
https://mainichi.jp/articles/20220930/k00/00m/030/408000c