安倍晋三元総理のご冥福を祈るとともに、卑劣な蛮行に対し断固抗議します
- 2022/7/8
- 声明

本日、安倍晋三元総理が、暴漢の銃弾により命を奪われました。
私たち日本ウイグル協会は、世界中のウイグル人に代わって、この悲劇に心から追悼の意を表するとともに、この卑劣な蛮行の犯人に対する怒りを表明します。
安倍晋三元総理は、内政及び外交において、日本国のために最善を尽くした偉大な政治家であると同時に、私たちウイグル人の置かれている状況の改善を願って尽力してくださった心ある政治家でもありました。日本国民にとって大事なリーダーであると同時に、私たちウイグル人の心の支えとなる大事な存在でもありました。このような形で命を奪われたことには、耳を疑い、言葉も出ません。心からお悔やみを申し上げます。
安倍晋三元総理は、長い間ウイグル問題に関心を寄せて頂き、状況の改善を継続的に中国政府に働きかけて下さった心ある政治家でした。
安倍先生は、第1次安倍政権期よりウイグル問題に果敢に取り組んで下さいました。
2007年11月28日、日本を初訪問したウイグル人の精神的な母ラビア・カーディルさん(当時の世界ウイグル会議総裁)と面会し、ウイグル人の置かれている状況を熱心に聞いてくださいました。そして、日本政府として真っ先に手を打つべき問題は投獄中のウイグル人東大院生トフティさんの件であると指摘されました。半年後の2008年4月30日、世界ウイグル会議事務総長のドルクン・エイサさん(現在の世界ウイグル会議総裁)が国会議員らで作る「真・保守政策研究会」が憲政記念館で開催したシンポジウムで講演した際に、一番前の席に座って耳を傾けてくださいました。
特に、2008年5月に、日本を訪れた胡錦濤国家主席に対して、東京大学大学院在籍中に不当に拘束され獄中生活を送っていたウイグル人研究者トフティさんの件を直接問題提起してくださったことは画期的な出来事として今でも私たちの記憶に残っています。
また、2012年4月の世界ウイグル会議日本大会開催時に、日本ウイグル国会議員連盟(古屋圭司会長)の設立準備会顧問としても尽力されました。
第2次安倍政権期には、首脳会談や国連等の国際舞台を通じてウイグル問題の改善に更に尽力されました。
2018年10月26日、および2019年12月23日の習近平国家主席との会談でも、東トルキスタンの人権状況をめぐり透明性をもった説明をするようにと働きかけてくださいました。
また、2019年7月に、22カ国が大量拘禁を非難し調査を求める画期的な共同声明書簡を国連に提出した際に、欧米諸国以外で唯一日本が共同声明に署名し書簡を送ってくださいました。2019年10月に、国連の差別撤廃委員会で23カ国が恣意的な拘束をやめるよう求める共同声明を発表した際にも、欧米諸国以外で唯一日本が共同声明に署名してくださいました。これらは全て安倍先生がウイグル問題の改善に熱心だった証として歴史にのこることでしょう。
2020年8月29日、日本ウイグル協会(于田ケリム会長)から、国会議員会館の安倍事務所で、長年の功績に対して感謝状が安倍元総理に手渡された際にも、熱心に応じてくださいました。改めて感謝申し上げます。
ウイグル人の苦しみに寄り添う本物の政治家として歴史に名を刻まれた安倍晋三元総理の訃報に接し、日本ウイグル協会として、謹んで哀悼の意を表し、心からお悔やみを申し上げます。そして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
2022年7月8日
日本ウイグル協会