千葉・白井でウイグル問題の講演会「次は日本」と危機感訴え
- 2022/3/15
- 活動報告

産経新聞 2022/3/14
中国でのウイグル人に対する人権侵害の深刻さを広く知ってもらおうと、日本ウイグル協会(東京)は13日、千葉県白井市の市文化会館で講演会を開き、市民ら約60人が現地から届けられた生々しい報告に耳を傾けた。協会関係者は「ウイグルや香港の次は台湾、そして日本だ。自分のこととして考えないと間に合わなくなる」と強調し、ウイグル人の人権を守る活動への理解や協力を求めた。
同日は北京冬季パラリンピックの閉幕日で、講演会に関わった同市の和田健一郎市議は「五輪やパラリンピックが閉幕したことで、中国政府が弾圧を強める恐れがある」と話す。
イスラム教徒のウイグル人が多く住む中国西部の新疆(しんきょう)ウイグル自治区では、近年、強制収容や強制的な不妊手術などが行われているとの報告が相次ぎ、米政府が「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定。英仏はじめ欧州各国の議会でも政府に認定を働きかける決議などが可決されている。
同協会副会長のハリマト・ローズ氏は、米国防総省による2019年の見解もふまえ、強制収容されているウイグル人は300万人に達すると指摘。大学学長や出版社の社長といった知識人も一斉に姿を消したといい、「中国をたたえる歌をうまく歌わないと食事が食べられない」などと収容所での生活を説明した。
また、千葉大大学院に留学した兄が帰国後に連行され、自らは日本に帰化した由理知沙見(ゆりち・さみ)さんも「ウイグル人として生まれたことは罪なのか。そのことを中国政府に問いたい」などと訴えた。
講演会には香港出身で民主化運動に関わってきた何嘉軒(か・かけん)さんも参加。ロシアによるウクライナ侵攻も念頭に、「自分は亡国の民として日本の危機感を喚起しないといけない。戦争反対は決して間違いではないが、それは皆さんの常識であり、中国とロシアの常識ではない」と呼び掛けた。
https://www.sankei.com/article/20220314-6YXNOU5LERLTNL7QH62YG4SYME/