産経新聞 2022/2/16
北京冬季五輪が開催される中、中国によるウイグル人への深刻な人権侵害について市民の理解を深めてもらおうと、日本ウイグル協会(東京都)の関係者らが16日、千葉市中央図書館(同市中央区)を訪れ、現地での実態を告発する書籍を市に寄贈した。今年度中に市内の図書館や公民館などに並ぶ見通しで、同協会の于田(うだ)ケリム会長は「できるだけ多くの方々の応援をいただきたい」と話した。
寄贈された書籍は、清水ともみ著『私の身に起きたこと とあるウイグル人女性の証言』(季節社)。ウイグル人の証言に基づき、中国による弾圧を告発するノンフィクション漫画で、子供でも読みやすい内容となっている。計33冊が贈られた。
市教委によると、市の図書館は分館を含めて15カ所、公民館の図書室が21カ所ある。このうち既に所蔵されている3カ所以外の33カ所に、本を保護するための処置を済ませた上で、それぞれ配架される。
寄贈式には、いずれも県内在住の于田氏と同協会副会長のハリマト・ローズ氏のほか、同市議会自由民主党・無所属の会所属の桜井崇、伊藤隆広両氏が同席。
于田氏は「日本のメディアもウイグルのことを報じているが、まだ何が起きたか分かっていない人も多い」と図書館側の対応に感謝の意を表した。
これに対し、市教委中央図書館情報資料課の山崎克彦課長は、「図書館は国民の知る拠点としての役割を持つ。いろいろな視点の本を置かせていただき、市民の方に公平な目で見てもらう意味で寄贈を受けた」と応じた。
同市議会は昨年6月、ウイグル人などの自由や基本的人権の尊重、法の支配などの保障を求める意見書を賛成多数で可決。ただ、最大会派の自民党と公明党は反対した。
https://www.sankei.com/article/20220216-OJZ5UIJPVZOHFNXXEGUIJFJYGU/