「ウイグル強制労働防止法」の成立を歓迎し、アメリカ政府と議員の方々に感謝する
- 2021/12/25
- 声明

大規模強制収容をはじめとしたウイグル人への人権侵害を理由に、ウイグルからの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法」が、2021年12月23日にアメリカで成立しました。
バイデン大統領は法案に署名後、ツイッターに「強制労働をなくすため、あらゆる手段を行使し続ける」と投稿。米国が認定するウイグルでのジェノサイド(集団虐殺)の阻止に向け、先進7カ国(G7)を軸に多国間連携を図る決意を表明しました。
ウイグル人への人権侵害に関与した中国当局者に制裁を科すようアメリカ政府に求める「ウイグル人権法」が2020年6月17日に成立していました。今回成立した「ウイグル強制労働防止法」がそれに続く新たな法律となります。
これは、中国の恐怖政治に苦しむ世界中のウイグル人にとって画期的なことになります。今世紀最大の人類の汚点と非難されている、習近平政権が東トルキスタンで行なっている人道犯罪と、危機的状況に陥っているウイグル人を救う、最も効果的な措置として歴史に残ることでしょう。
私たち日本ウイグル協会は、ウイグル強制労働防止法の成立を心より歓迎し、国際法上禁止されているジェノサイドを公然と行なっている習近平政権の人道犯罪を許さない態度を明確にし実効性のある行動に出たアメリカ政府や議員の方々に深く感謝します。
世界中のメデイアが報道している通り、いま中国は植民地支配下にある私たちの祖国東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)でウイグル人らを無差別に収容し強制労働を強いる、女性に不妊手術を強制する、子供を親から強制的に引き離すなど、一般的な人権侵害と次元の異なる人道犯罪を犯しているとの専門家の報告が相次いでいます。私たち日本在住のウイグル人も、家族との連絡も取れず、故郷に帰ることもできない状態が続いています。親の安否が気になり危険を冒して一時帰国した在日ウイグル人女性が、帰国後に収容され、収容中に死亡した事例も報道されています。
国際社会は、「ウイグルで何が起こっているのか」を議論する段階から既に「ウイグルで起こっている悪夢を終わらせるための具体策は何か」という段階に移っています。数年間に及ぶ懸命な情報収集・分析、事実確認及び国際法との照合等を経て、世界各国の政府・議会が相次いでこれを国際法上犯罪となるジェノサイドと認定し、中国に責任を負わせる取り組みを進めています。今年に入ってから、アメリカ政府、カナダ議会、オランダ議会、イギリス議会、リトアニア議会、チェコ議会、ベルギー議会、ドイツ議会の人権委員会等が相次いでジェノサイドや人道に対する罪と認定しました。ニュージーランド議会やイタリア議会も非難決議を採択しています。欧州ではまだいくつもの議会で同様の動きがあると報道されています。1年前から調査を続けてきた英国に拠点を置く独立法廷も今月「ジェノサイドに相当する」との結論を下しました。また、G7の中では、日本を除く各国がウイグル問題で制裁に踏み切りました。
私たちは、相次いでジェノサイド認定され世界中から激しい非難を受けているこの人道犯罪を日本の政府や議会が黙認することは、多くの日本国民の道徳観や価値観に反すると考えており、日本政府や議員の方々に対し、一刻も早くこれを黙認しないとの明確なメッセージと行動を示して頂けますようお願い申し上げます。
2021年12月25日
日本ウイグル協会