欧州議会は、人権擁護に貢献した人に贈る「サハロフ賞」のことしの受賞者に、獄中の著名ウイグル人学者イリハム・トフティ氏を選んだと発表した。
「サハロフ賞」は、アパルトヘイト体制を平和的に終結させた功績でノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ氏や、ミャンマーの人権と民主主義の確立のための非暴力闘争の功績でノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチー氏らにも当時授与された最も権威ある賞の一つである。
欧州議会の決定は、中国政府がウイグル人に対して行っている非人道的な抑圧政策への重要な抗議であり、日本ウイグル協会は、欧州議会のこの決定を歓迎する。そして、中国政府の暴力的な人権侵害を黙認しない欧州議会の勇気に深く感謝する。

北京にある中央民族大学の教授だったイリハム・トフティ氏は、中国国内において、中国の法律が許す範囲で取れる最大限の行動をとり、ウイグル人の権利擁護のために人生を捧げた勇敢な学者だった。それと同時に、ウイグル人の希望の星、良心の象徴、誇りであった。ノーベル平和賞の候補にも推薦されているイリハム・トフティ氏は、ウイグル人社会の基本的権利の平和的闘争の象徴でもあった。
中国の法律が許す範囲内でウイグル人社会と中国人社会の対話や相互理解の促進に熱心に取り込んできたイリハム・トフティ氏の投獄は、中国が酷い非法治国家であることを証明する象徴的な事例である。
日本ウイグル協会は、中国政府に対し、イリハム・トフティ氏の即時釈放を求め。そして、非人道的で暴力的な抑圧政策をやめ、不当に拘束されている300万を超える全てのウイグル人を直ちに釈放すること求める。
また、日本を含む国際社会に対し、ナチスを超える規模の数百か所の強制収容所に300万以上の罪の無いウイグル人らを強制収容し、ウイグル人社会の宝である数百人もの著名文化人を一斉に拘束し、ウイグルの独自文化を意図的に消そうとしている、あからさまな人種差別・人道に対する罪を公然と行っている中国政府の犯罪行為を黙認せず、欧州議会のように勇気ある行動をとるよう、強く求める。
日本ウイグル協会
2019年10月25日