世界ウイグル会議が発表した「イリハム・マハムティの副総裁職務の執行を停止する通知」への反論


12月9日、世界ウイグル会議ホームページに、「イリハム・マハムティの副総裁職務の執行を停止する通知」が、ラビア・カーデイル総裁の名前で発表されました。私はこの通知に対し、その内容、手続き双方に際し、最低限の反論をさせていただきます。

なお、12月17日に世界ウイグル会議ホームページの文章は変更されていますが、そこでは何ら具体的なイリハム・マハムティの問題は指摘されていません。9日付の声明に対し反論させていただきます。

職務停止の理由としては3つが挙げられています。

・イリハム・マハムティは世界ウイグル会議の規則、日本ウイグル協会の会則を違反したこと。

私ことイリハム・マハムテイは、昨年のラビア総裁の日本招請と全国講演会を実行委員の一人として協力し、ラビア総裁とともに日本全国を回りました。その際には、世界ウイグル会議が発行したウイグルにおける青年の失踪事件の全文を和訳して印刷、日本の皆様に配布しております。

その後も、世界ウイグル会議の基本方針であるはずのウイグルにおける人権侵害の実態を伝えるための努力を、微力ながら今年も講演会や機関誌発行などを通じて行っています。ウルムチ事件の日、東トルキスタン独立記念日にはともに講演会を開催し、また、今年のヤルカンドでの虐殺に関しては世界ウイグル会議の伝える国内の実態を報告する手紙を記者会見で公開しました。これらの行動は、世界ウイグル会議の方針となんら異なってはおらず、その会則にも違反していないはずです。

日本ウイグル協会は特定非営利活動法人として活動してきました。毎年、管轄の東京都に事業報告書の提出義務があります。現在、事業報告書の提出が遅れている問題があります。この件については東京都に事情を説明し、行政書士に相談しながら解決に向けて取り組んでおります。

私は協会の会則(定款)に違反するようなことはしておりませんし、特定非営利活動法人として問題があるとすれば、組織としてある期間、事務などの作業が出来る体制ではなかったということがあります。

・イリハム・マハムティは世界ウイグル会議執行部に相談せず、無断で活動をしたこと。

私たちは世界ウイグル会議の一員ではありますが、日本の協会として一定の独自の試みを行う権利は存在します。

私は世界ウイグル会議、東アジア地区担当として、2014年3月26日から11月11日まで7回、東南アジアのウイグル難民の調査と支援活動を行ってきました。

そして難民問題を解決するため、現地の他民族の難民支援のグループや人権活動家のアドバイスを受けてきました。その中には2009年にカンボジアの22人のウイグル人難民を助けるために現地で尽力していただいた方々もおります。報道にもある通りウイグル難民はウイグル人と分かった段階で中国に強制送還される恐れがあり、それが難民支援の大きな障害になっています。まずは強制送還されないための国際的な協力体制を作らなければ受け入れ国があっても無事に出国することが非常に困難な状況です。

そして私は日本人支援者らと今年の10月に「ウイグル難民救援基金」を立ち上げました。日本人支援者や在日ウイグル人らから集めた寄付金は難民の生活費として使われるものです。生活の不安から現地でトラブルが起きることもあり今後は弁護士の費用なども必要になってきます。

そのような私の現地での活動は、5月、7月、9月の3回の世界ウイグル会議役員の電話会議で報告して来ました。11月12日には総裁にレポートを提出し、世界ウイグル会議の内部でどの範囲まで情報を共用するのか総裁の判断を御願いいたしました。私が無断で活動をして来たとは考えていませんし、その内容に不満や問題があるのならば、その時点で通告くださるべきでしたが、私は何の連絡も受け取っておりません。

そして世界ウイグル会議の難民問題担当のセイト・トムトルコ副総裁と、今回ウイグル難民の活動方針について対立したことは事実です。

私は東南アジア各地で長年、難民支援してきた人々のアドバイスから、中国に強制送還されないためにウイグル人の所在についての情報を公開することをまだ控えるべきだという判断に従いました。それは私と彼らとの約束でもあります。この件について私はセイト・トムトルコ副総裁と考え方が違うことはラジオフリーアジアなどの報道からも明らかだと思います。

そして、いつか出国させるためにはその国の政府と対立しないような配慮が必要であり、強制送還せずに難民を受け入れかつその国の税金が難民の生活費に使われていることは、その国の人々の善意でもあります。難民への待遇は決して良いとは言えないものですが、これはウイグル人だけではなく同じイスラム系のロヒンギャ族などの難民についても同じことです。

現段階では、我々はウイグル人として同胞の難民の生活の不足した部分を支援しながら中国に強制送還されないよう解決策を模索し行動することが最善の方法だと考えます。

・世界ウイグル会議のほかの役員について名誉を損害するようなデマをばら撒いてきたこと。

このような文章は、あまりにも品位の無いもので私は反論をしたくありません。私は運動家のいくつかの姿勢や発言を批判したことはあります。しかし、名誉棄損やデマを流した覚えはございません。

・監査について

私が海外出張している間に世界ウイグル会議の監査担当役員が来日していたことを後日ラジオフリーアジアの報道から知りました。

世界ウイグル会議の執行部のメンバーに確認したところ、今回来日した監査担当役員は2012年10月に職務を停職されていたこと、来日については執行部でも知っている者は1人か2人しかいなかったという回答がありました。なお、日本側から招いて、旅費も日本側が負担したと監査担当役員が発言しているそうです。

私は今回行われた監査について不服を申し立てます。

まず監査担当役員が一部の日本ウイグル協会の関係者からしか聞き取り調査をしていないことについて、どのような基準で選んでいたのか疑問があります。私は客観性を持って公平な監査がされていないと考えています。

日本人とウイグル人では言葉の問題があります。通訳や翻訳が正確に行われていたのか、複数人のウイグル人が確認する必要があると私は思います。

そして私自身が監査の結果を確認する必要があります。それこそ「名誉を損害するようなデマ」であるかどうかも今の私には確認しようがありません。

今回の監査の中で、現在日本ウイグル協会の活動を支えている支援者やウイグル人についての聞き取り調査は行われませんでした。

しかし、世界ウイグル会議は私に弁明や反論の機会をほとんど与えることなく、組織内でどのような議論がなされ結論が出たのかも公的に発表もない中、一方的に私の職務停止をホームページ上で通告するというのは、世界ウイグル会議の民主的な運営という点からも間違っていると考えます。

最後に、私はラビア総裁のこれまでの果たしてこられた大きな役割をなんら否定するものではありませんし、今後ともウイグル人の権利のために国際的に活動されることを祈念していることを申し上げます。また、私はたとえ世界ウイグル会議の地位を解かれようとも、一人のウイグル人として民族のために運動し続けます。日本ウイグル協会の皆様ほか、私を応援してくださった方々には大きな心配をおかけしていることはお詫びのしようもありませんが、近日、詳しく皆様に説明する機会を作ることもできると思いますので、まずはこの最低限の反論を表明させていただきます。

なお、世界ウイグル会議より、私イリハムが代表である間は日本ウイグル協会は一切の活動や意見表明を停止せよとの指示があったという報告を、間接的に日本の方を通じて受けています。しかし、私自身にはそのような指示はまったく通告されていません。
しかも、世界ウイグル会議の決定に対しては一切の疑問も反論も禁止するような指示を是認することはできません。全世界のウイグル団体の共通の目的は、中国政府の弾圧からの民族の解放でありそのためのお互いの自立性を認めた上での広い連帯ではなかったのでしょうか。

日本ウイグル協会 会長
イリハム・マハムティ