<主張>ウイグル問題 中国の弾圧の追及進めよ
- 2026/5/25
- ウイグル情勢

産経新聞 2026/5/24 05:01
中国の少数民族ウイグル人への非道な人権侵害を裏付ける証言が新たに確認された。
新疆ウイグル自治区で実際に勤務した元警察官が、亡命先のドイツで産経新聞の取材に応じ、拷問や強制労働、不妊手術の実態を明らかにした。

ベルリンで、産経新聞のインタビューに応じる新疆ウイグル自治区の元警察官、張亜博氏=4月22日、三井美奈撮影
弾圧の実行役だった警察内部にいた人物による証言は異例で信憑(しんぴょう)性がある。国際社会は中国共産党政権による蛮行を忘れてはならない。
証言したのは漢民族出身の男性で、2014年から23年まで南部のホータン地区で警察官をしていた。同地区の拘置所がウイグル人の収容所として機能し、拷問が横行していたことや、地元政府や警察、病院が共謀して女性への不妊手術を行っていたことを証言した。綿花畑での強制労働についても明らかにした。
ウイグル人の強制収容を巡っては、国連の人種差別撤廃委員会が18年に、「新疆ウイグル自治区でウイグル人などイスラム教徒100万人以上が再教育施設に収容されている」と報告、国際社会で問題となった。
中国政府は翌19年、中国語や中国の法律などを教える再教育施設について「みんな卒業した」と発表して幕引きを図ろうとした。だが今回の証言は、その後も強制収容が続いていたことを示すものだ。中国政府の詭弁(きべん)を改めて非難する。
米国の第1次トランプ政権末期に、当時のポンペオ国務長官がウイグル人弾圧をジェノサイド(集団殺害)だと認定した。次のバイデン政権はこの認識を引き継ぎ、ウイグル強制労働防止法を制定して、中国政府に弾圧停止を求めていた。
一方、米政府はトランプ大統領が今月の訪中で習近平国家主席と会談した際、ウイグル問題を取り上げたと発表していない。人権問題を軽視しているなら残念だ。
ウイグル人女性への強制的な不妊手術については、外国へ脱出した被害者の証言や中国政府の内部文書の流出で明らかにされてきた。だが中国政府は頰かぶりし、国際社会の追及は下火になっていた。今回の証言を機に、中国政府に対して実態究明と責任者の処罰を求める必要がある。高市早苗首相は中国の人権問題への憂慮が強かったはずだ。国際会議などで積極的に提起してもらいたい。
https://www.sankei.com/article/20260524-TDVUVERHDNJDPA3BKWMFREWSH4/






















