ウルムチ虐殺16周年に際しての抗議声明
- 2025/7/5
- 声明

中国人への同化や強制労働の目的で東トルキスタンから中国本土各地へ強制移送されたウイグル人の若者たちが、移送先で差別や虐待を受け、更には地元民に無差別に襲撃され殺害される事件が起きたことに抗議するため、2009年7月5日、東トルキスタンのウルムチ市でウイグル人学生らが中心となって平和的なデモ行進を行いました。彼らは、ウイグル人に対する無差別襲撃を行った中国人たちが罪に問われることなく、政府側から何の正式な説明もないまま放置されたことについて、説明と公正な法の裁きを求めました。
しかし、デモが始まって間もなく、中国当局は武装警察や軍隊を動員し武力で解散させようとしたため、平和的なデモが衝突へとエスカレートしました。武装警察や軍隊が直ぐに学生らに発砲し、抗議デモが残酷に鎮圧され、数千人ものデモ参加者が銃殺され、数万人もの人々が無差別に拘束され行方不明となりました。
このウルムチ虐殺事件から16年が経ちました。
その後もウイグル人に対する非人道的扱いは激しさを増す一方です。300万人を超える罪も無いウイグル人たちの強制収容、大規模な不妊手術の強制等、ウイグル人社会を滅ぼす意図を持った犯罪行為が国策として実施されています。私たち日本在住のウイグル人たちも、家族と連絡が取れず、故郷に帰ることもできないままです。親の安否が気になり危険を冒して一時帰国した在日ウイグル人女性は収容され、死亡しました。
ウイグルで起こっている悪夢を終わらせるため、国際社会はこれを国際法上犯罪となるジェノサイドと認定し、責任を負わせる取り組みを進めています。
これまで米国、英国、フランス、カナダ、ベルギー、オランダ、チェコ、アイルランド、リトアニア、台湾の国会、欧州議会、そして米国政府が、ウイグル人に対する犯罪をジェノサイドや人道に対する罪に該当すると公式に認めています。
また2022年には、国連人権高等弁務官事務所が報告書を発表し、ウイグル人に対する人権侵害は人道に対する罪に該当すると認め、国連人権委員会が中国に対し、拘束されたウイグル人の解放を求め、被害者に「救済と賠償」を提供するよう勧告しました。
残念ながらウイグルジェノサイドは続いています。ウイグル人の強制労働で作られた製品の輸入、ウイグル人への人権侵害に悪用される監視技術の輸出等、先進国がこれらの犯罪行為を助長する状況も続いています。中国がウイグル人らを滅ぼすのを世界が放置すれば、そのモデルは輸出され、周辺地域や全世界にとって大きな脅威となるでしょう。
私たちは、中国当局がウルムチ事件で犠牲になった全ての尊い命の責任を負うことを求めます。そして、現在進行中のウイグル人に対するジェノサイドを直ちに止め、国際的な調査団を受け入れるよう求めます。
2025年7月5日
日本ウイグル協会