タイ政府、ウイグル拘束者3人を中国に送還せずカナダへ「解放」 第三国出国は10年ぶり
- 2025/4/29
- ウイグル情勢

産経新聞 2025/4/29 15:10
タイ政府が不法入国したとして中国新疆ウイグル自治区出身の集団を2014年以降拘束している問題でタイの人権団体「ピープルズ・エンパワーメント財団」は28日、4月初旬に男性3人がカナダに渡航したと明らかにした。中国当局は中国への送還を求めており、タイの収監ウイグル人が第三国に出国できたのは15年以来10年ぶりとなる。
英字紙バンコク・ポストなど地元メディアが報じた。
2月にタイ政府はウイグル人40人を中国に強制送還しており、中国で迫害される恐れがあるとして国際人権団体などの反発を招いていた。
今回3人はキルギス発行のパスポートを所持していたといい、財団によれば国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員と面会し、カナダへの移住が実現した。
米政府系放送「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)は「中国に強制送還される運命を回避できた」と強調し、財団幹部が3人のウイグル人に言及し「難民の地位を得ることを許されたので、彼らはようやく解放された」とのコメントを報じた。
一方、まだ7人のウイグル人の男女が収監され、それぞれ中国への送還を拒否しているという。財団は深刻な懸念を表明している。
14年3月にタイ当局はマレーシアとの国境付近で約300人のウイグル人を拘束。15年6月に173人の子供や女性がトルコへの亡命が許可された一方、同年7月に109人について中国の要請に応じる形で中国への送還を強行し、109人の消息は不明となっているという。
https://www.sankei.com/article/20250429-SCGC2JAGVBHPXB7HX6IJA3DUKI/