米下院委、ウイグル弾圧で公聴会 ジェノサイド阻止訴え
- 2023/3/25
- ウイグル情勢

産経新聞 2023/3/25
【ワシントン=大内清】中国の脅威を調査する米下院の超党派による特別委員会は23日、中国・新疆ウイグル自治区でのイスラム教少数民族ウイグル族への弾圧に関する公聴会を開いた。ウイグル問題の専門家や、弾圧を受けたウイグル族女性らが証言し、議員からは、中国による「ジェノサイド(集団殺害)」や強制労働を阻止するため、ウイグルからの物品をサプライチェーン(供給網)から締め出す措置の厳格化などを求める声が相次いだ。
中国共産党による人権侵害を告発する米非営利団体「共産主義犠牲者記念財団」(VOC)のアドリアン・ゼンツ上級研究員は、中国がウイグル族監視のために活用しているハイテク企業に米民間企業から多額の投資が流れ込んでいると指摘。ウイグル系米国人で「米国際信教の自由委員会」委員長のヌーリ・トゥルケル氏はバイデン政権による人権問題での多国間協力を評価しつつ「一部高官は環境分野での協力を優先し、中国への対応をトーンダウンさせている」とし、官民を挙げてウイグル問題への取り組みを加速させるべきだと主張した。
ウイグルにある再教育キャンプに3年間収容され、その体験記を出版したウイグル人女性、グルバハル・ハイティワジ氏は「キャンプでは1日に11時間かけて中国の言語や文化、歴史を教え込むなどの洗脳教育が行われている」と証言し、中国がウイグル族からアイデンティティーを奪おうとしていると非難した。
中国に不妊手術を強制された元教師のウイグル族女性、ケルビニュール・シディク氏は「教え子から『なぜお父さんやお母さんが(収容所から)帰ってこないのか』と聞かれたことが忘れられない」と語った。
https://www.sankei.com/article/20230324-ORLQFTKZZFOEVFNSKW5JI35CME/