「ウイグル、虐殺・弾圧が継続」 米国務省報告書 長官、中国非難
- 2022/6/3
- ウイグル情勢

毎日新聞 2022/6/3
米国務省は2日、世界の信教の自由に関する2021年版報告書を発表した。記者会見したブリンケン国務長官は中国について「イスラム教徒が大半を占めるウイグル族や他の宗教的少数民族に対するジェノサイドと弾圧を続けている」と非難した。
報告書は、中国における信教の自由をめぐる状況は21年に悪化したと明記。新疆ウイグル自治区の当局が、ウイグル族の人たちなどを「宗教上のさまざまな理由で強制収容所、刑務所、強制労働収容所に恣意(しい)的に拘束し続けた」と批判した。さらに、88万人のイスラム教徒の子供を親から引き離し、自治区内の重要な宗教・文化施設を破壊するなどしたと指摘した。
ブリンケン氏は会見で、チベット仏教やキリスト教なども挙げ、「中国共産党の教義にそぐわないと判断した他の宗教の信者に対する嫌がらせも継続している」とした。
報告書のとりまとめにあたったフセイン担当大使は、中国が人工知能(AI)や顔認証などの先端技術を使って自治区内にある野外刑務所の監視や制御を行っていると説明。拘束中の死亡や拷問、身体的虐待に関する多数の報告があるなどと批判した。【ワシントン西田進一郎】
https://mainichi.jp/articles/20220603/k00/00m/030/070000c