関東弁護士会連合会の意見書採択を歓迎し、ご尽力いただいた方々に感謝する
- 2022/5/14
- 声明

昨日、関東弁護士会連合会(関弁連)が、ウイグル問題に関する初の意見書を採択しました。
詳細は、以下のリンク(関弁連公式サイト)で確認できます。
http://www.kanto-ba.org/declaration/detail/r04op02.html
関弁連は、日本最大の弁護士会連合会であり(所属する弁護士の数は約2万人で,日本の弁護士の約60%が関弁連に属している)、日本の法律業界としてウイグルジェノサイドに初めて公式な意思表示を行った団体となります。日本ウイグル協会は、関弁連の意見書採択を歓迎し、ご尽力くださった方々に心より感謝申し上げます。
2021年以降、国際社会では、人権問題の専門家やシンクタンクだけではなく、法律の専門家たちも相次いで意見書や報告書を発表し、ウイグルで起こっていることをジェノサイドや人道に対する罪に当たると結論付け、国際社会に行動を求めてきました。例えば、
・2021年2月、ロンドンを拠点とする「エセックス法廷弁護士事務所(Essex Court Chambers)」に所属する弁護士グループが、人道に対する罪とジェノサイド(民族大量虐殺)が行われていることを示す信憑性の高い証拠があるという法律意見書を公表。同意見書は、「国家としての中国も、ジェノサイドに対する刑事責任を問われる可能性がある」と強調。また、「現在も進行しているウイグル人に対する残虐行為を防ぐために、各国政府は是が非でも緊急行動を起こさなければならない」と強く訴えた。
・2021年3月、人権、戦争犯罪、国際法の専門家50人以上が共同で執筆し、米国のシンクタンク、ニューラインズ戦略政策研究所が発表した報告書は、国際法上の「ジェノサイド」そのものだと結論付けた。
・2021年12月、1年以上にわたって調査してきた英国を拠点とする独立委員会(弁護士や学者等で構成する)「ウイグル特別法廷」が、ジェノサイドに相当するとの結論を下した。また、同委員会は、主要な責任は習近平国家主席ら指導部にあると結論づけた。
専門家によるこのような法的見解等も踏まえて、アメリカ政府、カナダ議会、オランダ議会、イギリス議会、リトアニア議会、チェコ議会、ベルギー議会、フランス議会など複数の国や議会がジェノサイド認定しています。日本の国会(衆議院)も非難決議を採択していますし、また、日本全国から96の地方議会がウイグル問題で意見書採択し、国に対応を求めています。
そんな中、関弁連に所属する有志らは、これまで複数回日本ウイグル協会や在日ウイグル人からヒアリングを行ったり、在日ウイグル人向け法律相談セミナーを実施したりして調査を重ねた結果、関弁連としての意見書採択に至りました。有志の皆様には、ジェノサイドの犠牲に遭っている全てのウイグル人に代わって深く感謝申し上げます。
関弁連の意見書採択をきっかけに、より多くの日本の学者、法律の専門家、議員、著名人、人権団体等がウイグルジェノサイドに抗議の声を上げることを願います。
2022年5月14日
日本ウイグル協会