在留カードにウイグル記載も 地方議員の会が要望書を決議
- 2022/2/15
- ウイグル情勢
産経新聞 2022/2/14
在日ウイグル人支援に取り組む「ウイグルを応援する全国地方議員の会」が14日までに外国籍の中長期滞在者の身分を証明する「在留カード」の国籍・地域欄に中国の新疆ウイグル、チベット、内モンゴルの各自治区の記載を認めるよう入管難民法の政令改正を求める要望書を決議した。在日ウイグル人らは中国籍で出身地域が判別できない。自治区で迫害される在日ウイグル人らを対象に人道的措置を行う環境を整える狙い。(奥原慎平)
要望書は13日に地方議員の会会合で決議した。近く超党派有志による「日本ウイグル国会議員連盟」をはじめ、自民や公明、立憲民主など各党にも提出する。現行制度で在留カードに記載できる地域は台湾、ヨルダン川西岸地区、パレスチナ自治区ガザに限られる。
出入国在留管理庁(入管)は外国人にパスポートの期限などが切れても「国籍で生じた事情により帰国が困難であるなどの申し出があり、人道上の配慮を行うべき必要性」が認められれば特定活動の在留資格を付与している。ただ、地方議員の会幹部によれば「在日ウイグル人らが、自治区に戻れば迫害されかねない状況を入管職員に申し出るのは難しいのが現実だ。中国当局に伝わる恐れがあり、そうなれば自治区に残した家族にさらなる被害が加えられかねない」という。
同会によれば、自治区の親族らから在日ウイグル人留学生への送金が停止されているケースも近年確認されている。学費滞納により退学処分となれば、査証(ビザ)を失効しかねない。要望書では「ビザ失効者を判別する行政上の術がない。在日ウイグル人を強制送還してしまった可能性も否定できない」と強調した。
https://www.sankei.com/article/20220214-6NYWFETIQJOMLDN7ZKDLOWKKII/