中国のウイグル政策は「ジェノサイド」、英独立委が断定
- 2021/12/16
- ウイグル情勢

ウォール・ストリート・ジャーナル 2021/12/10
【香港】中国政府による新疆ウイグル自治区の少数民族に対する扱いを巡り、英国を拠点とする独立委員会「ウイグル・トリビューナル」は9日、中国の政策が「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に相当するとの結論を下した。
中国政府は強制避妊や避妊手術などの政策を通じてウイグル族を中心とするコミュニティーや生活様式を部分的に崩壊させる意図があったと指摘している。
同委員会は弁護士や学者、活動家などで構成され、およそ1年をかけて疑惑を調査してきた。その結果、「新疆での行為に関する主要な責任」は、習近平国家主席ら指導部にあると結論づけた。
中国当局は、大規模な民族同化策の一環として、100万人以上のウイグルなど少数民族を強制収容所に拘束しているとされる。
中国外務省は同日公表した声明で、同委員会の判断は「一握りの卑劣な個人による政治的な茶番」だと切り捨てた。
国際人権弁護士のジェフリー・ナイス氏が率いる同委員会は、ウイルグル活動家の要請を受けて昨年9月に結成された。その後、6月と9月に2度行った審問を通じて、報道や新聞記事、多数の犠牲者や専門家による証言などを基に判断を下した。
9人の委員はまた、「合理的な疑いなく」中国政府がウイグル族などに対して人道に反する罪を犯したと判断したとしている。その理由として、性的暴行や拷問、強制中絶などに関する証言や、強制収容所での大量拘束や家族の強制隔離に関する証拠を挙げている。
今回の決定は、習氏が先頭に立って弾圧を指示していたことを改めて裏付ける政府の流出文書にも基づいている。
その文書によると、習氏が少数民族に関して宗教の影響や失業問題の危険性について警告しており、新疆の支配を維持する上で、主流派である漢民族と少数民族の「人口割合」の重要性を強調している。
ナイス委員長は、中国政府には書面で繰り返し審問への参加を求めたと話しているが、中国政府は応じなかった。
https://jp.wsj.com/articles/chinas-treatment-of-uyghurs-amounts-to-genocide-u-k-based-panel-finds-11639090402