「上海リスト」にウイグル人の子供、高齢者を含む、数千人の「テロ容疑者」監視リスト化

RFA 2021/5/11

最近リークされた文書は、どのように中国が過激派の脅威を特徴づけているかに新しい洞察を提供している。

中国政府のリストにある約1万人の「テロ容疑者」の名前の4分の3以上がウイグル人であり、文書には数百人の未成年者と高齢者が含まれており、北京が100 万人以上を拘束するために用いた脅威の内容を詳細に述べている。
2020 年に、オーストラリアのハッカーグループがリストを入手した。このリストは、上海公安局(PSB)の「技術部門」によって編集された 100 万件を超える監視記録から選別されたものであり、その信憑性を審査した後、先月、オーストラリア放送協会(ABC)が公開した。
ABCによると、PSBの部門はデータベースと「画像、無線、有線通信システム」の構築を担当しており、専門家は、国家に対して潜在的な脅威と考えられる可能性の高い人を識別して監視リストアップ化している。
RFA ウイグル語部局がコピーを入手し、「上海リスト」と呼んでいる文書のほとんどのエントリーには、個人の生年月日、居住地、ID 番号、民族、性別が含まれていることを確認した。リストにある人物は「テロ容疑者」と呼ばれ、「騒乱を引き起こした」と特定されている人もいる。文書に記載されている人々の 7,600 人以上がウイグル人で、残りのほとんどはカザフスタン人とキルギス人で、トルコ系イスラム教徒である。
アナリストは、遅くとも 2018 年に編集されたと考えているが、このリストには、一般市民、5、6 歳の幼児、80 代の高齢者といった、海外へ移住または訪問した経験のない新疆ウイグル自治区(XUAR)のウイグル人が記載されている。

リストには400人以上の未成年者が「テロ容疑者」として記載されており、そのうち162人は5歳未満である。文書によると、5 歳児の子供が警備員によって「面会調査」されたという。
成人の多くは社会的に影響力のある個人であり、さまざまな分野で成功している人物や、新疆ウイグル自治区で継続中の虐待について海外で声を上げている人物で、上海リストは、リストされた個人がテロリズムの疑いがある理由についての証拠や説明を提供していない。
RFAはこれまでに上海リストに載っている人物のうち米国に住む複数を特定し、81歳のベテラン考古学者で、以前、中国政府がテロリストであると非難したRFA記者グルチェヒラ・ホジャ氏の父である、アブドゥケユム・ホジャ氏などが含まれる。
このリストには、タシポラット・テイップ、ハルムラット・ゴプール、アザド・スルタン、ワリ・バラットなど、新疆ウイグル自治区の元大学学長も含まれる。ヤシン・ジラルやアブドゥフラマン・アバイなどの作家及び詩人、アディル・ミジット、フルシデ・トゥルディ、アブドゥラフマン・アユプ、ジュラット・ワイット、グルザルなどの有名なミュージシャン及びアーティストや、7 歳児のアティラ・トゥルスンと アキダという名前の子供たちが記載されている。

リストに記載された人々
米国バージニア州を拠点とするウイグル人のトラック運転手は、家族がウイグル自治区の首府ウルムチに残っていることを理由に報復を恐れて匿名を条件に語った。自分の目で見たわけではないが、リストに載っていることは聞いていたとRFAに語った。
「最初は驚いたが、妻と子供たちと離れ離れになったことを考えると、[リスト]はかなり小さな問題のように思える」と語り、なぜ自分が標的にされたのか定かではないと付け加えた。
ブグラ・アルキン氏というウイグル人は、国外に住んでいるにもかかわらず、自分はリストに載っていないが、ウルムチ市に住む両親と妹はリストに記載していると RFA に語った。「ウイグルの文化的生活を豊かにする」ことを目的として 2007 年に開設された家族経営の出版社が閉鎖され、4 人の従業員が父親と一緒に拘束されたと彼は述べた。
ウルムチ市にある新疆大学周辺の住宅街に住む、「リストにある人の20人~30人くらいを知っている」とアルキン氏は語る。
シャウカット・アブドゥラ氏(59 歳)は4児を持つ父親で、他の数千人のウイグル人と同様に、2016 年以降、子供や孫を含む 17 人の家族とともに安全を求めトルコへ移住した。
アブドゥラ氏は、異国の地で新たな生活を築くために働いているが、フェイスブックで「逃亡者」に関する投稿で、テロリストの疑いがあるリストに自分の名前を見つけることは予想していなかったと語った。
「調べてみると、自分の名前と住所が載っており、一体何が起こっているのだろうと思ったが、友人にそのことを話したところ、オーストラリアにいる誰かが上海リストを見つけて公開したと教えてくれた。」
「最初は心配したが、アラーが私たちに何をもたらすかを見ていく。私だけに起こっていることではなく、8,000人の人々も同じ境遇にいるということで、ある程度の慰めを得た。でも最初は少し怖かった。 本当に心配した。」と語った。

上海リストのリークは、新疆ウイグル自治区での違法な大量投獄キャンペーンの4年目に入るときに起こった。2017年以来、最大180万人のウイグル人やその他のイスラム教徒の少数派を広大な収容所ネットワークに収容していることが分かった。
北京は当初、収容所の存在を否定していたが、中国は2019年に方針を変更し、施設をウイグル人に職業訓練を提供し、過激化を阻止し、テロから国を守るのに役立つ「寄宿学校」と表現し始めた。
しかし、RFA やその他のメディアの報道によると、収容所に収容されている人々は彼らの意思に反して拘束され、政治的教化を受け、日常的に監視員の乱暴な扱いに直面し、過密状態の施設で貧しい食事と不衛生な状態に耐えていることが分かった。元被拘束者はまた、拘束中に拷問、強姦、不妊手術、その他の虐待を受けたと述べている。
新疆ウイグル自治区における中国の政策の精査が高まる中、米国政府は1月、この地域での人権侵害を大量虐殺キャンペーンの一部として表明した。これはカナダ、オランダ、英国の議会でも同様に表明されている。

「テロリズム」の定義
アナリストやオブザーバーは RFA に対し、上海リストは、「テロリズム」という概念が中国でどれほど曖昧で広く使われているか、そして政府がウイグル人を抑圧する口実として、この概念をどのように悪用しているかを証明するものだと語った。
オランダを拠点とするアスヤ・アブドゥラハド氏(別名アスヤ・ウイグル)は、過去数年間の実状を考えると、現時点で新疆ウイグル自治区にこれほど多くの「テロリスト」がいるのは「不可能」だと述べた。
「犯罪で告発され、拘束された多数のウイグル人を見て、彼らがテロリストのリストに載せる前に、ウイグル人の老人と若者を区別していない事実を見ると、ウイグル人の拘束が非常に広まっていることが推測できる。」とアブドゥラハド氏は語った。
「現在、祖国にはそのような人々がいる可能性はまったくない。なぜなら、ウイグル人に課されるあらゆる種類の制限が非常に多いからだ。」と更に述べた。

子供を含む非常に多くの人々をテロリストの疑いのあるリストに載せることは、「ウイグル人は、世界中のイスラム教徒が行っている日常、及び、文化的慣行のために拘束されている」ことを示唆しているとアブドゥラハド氏は述べた。
米国のワシントンD.C.を拠点とする共産主義犠牲者記念財団の上級研究員で、キャンプ制度の広がりについて文書化に役立てられた中国政府の報告書と統計を調べてきたエイドリアン・ゼンツ氏は、このリストは中国のウイグル人に対する扱いに光を当てると述べ、これらの人々がテロと関係があるという証拠はないと語った。
「何年も中国に行ったことがない、ただのビジネスマン、または未成年者など、まったく関係がなくても、あらゆる種類のウイグル人がテロの容疑者にされている。5歳児くらいの幼児も含まれている。」とゼンツ氏は語る。
「それは基本的に区別や差別なしに、特定の民族グループ全体を全面的に疑いの下に置いており、中国の呼称が恣意的である性質を示す。 それは、ウイグル民族が集団として迫害されていることを示しており、非常に憂慮すべきことだ。」と述べた。
ジョージ・ワシントン大学(米国)の国際開発研究プログラムのディレクターであるショーン・ロバーツ氏はRFAに対し、上海リストはウイグル人の著名な人々、そしておそらくウイグル人を民族として根絶しようとする中国の意図の証拠であると見ていると語った。
「ウイグル人による反対意見はどのようなものでも、テロリズム、過激主義、分離主義の疑いがあるとされている」とロバーツ氏は語った。
「大規模な収容センターで大勢の行方不明者が出ている4年前よりも前から、党幹部を含む知識階級から多くの人が行方不明になっている。」
「ウイグル人が民族として中国の国家にとって危険であるという、過去4年間の北京の物語の一部が上海リストで記述されている。」とロバーツ氏は述べた。
「何も悪いことをしていない人でさえ、中国政府はウイグル人を潜在的な脅威と見なしているように見えるのは、予防的取り締まりが含まれている。」
「何か悪いことをするかもしれないし、中国政府が国家に対する脅威と見なすようなことをするかもしれないという考えだ。」とロバーツ氏は語った。

無差別なアプローチ
カナダのオタワにあるウイグル人の権利擁護プロジェクトのディレクターであるメメット・トフティ氏は、ウイグル人が無作為にリストに載せられていると述べた。
「ID 番号付きのリストで 10,000 人を超えるテロ組織は世界中にそれ程多くない。最大のテロ組織には数百人しかいない」
「もしある国が、テロにどう対処するかを真剣に考え、誰がテロに関与したかを突き止めようとするなら、このようなリストに人々を載せることは決してないだろう。 他に何もないとしても、何をしたかどうか、または何を計画していたかどうかを調べる必要がある。したがって、これは、中国政府がこれを無差別に行ったことを示している。」とトフティ氏は語った。
トフティ氏によると、このリストはまた、中国がテロリズムの「概念を意図的にねじ曲げ、利用した」かも示されているという。
トフティ氏は、上海リストは「手に入れることができたものにすぎない」と述べ、同様のものが他にいくつかあるのだろうと推測する。
「さらに多くの人々のリストが明日か明後日に公になる可能性がある」
「生まれたばかりの赤ん坊であれ有名な知識人であれ、単にウイグル人であれば、そのアイデンティティが何であるか、実際にどのような人物であるかは問題ではなく、情報を入手できた人を [これらのリスト] に載せるだけだ。 」とトフティ氏は述べた。

Reported by Jilil Kashgary for RFA’s Uyghur Service. Translated by the Uyghur Service. Written in English by Joshua Lipes.

Graphic illustrations: Bahram Sintash
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Editing: Paul Eckert, H. Leo Kim, Min Mitchell, Paul Nelson, Mamatjan Juma, Alim Seytoff
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Web page produced by: Minh-Ha Le
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Produced by Radio Free Asia

https://www.rfa.org/english/news/special/shanghai-list/

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