日本ウイグル協会は、リトアニア議会のジェノサイド認定を歓迎する
- 2021/5/22
- 声明
- ウイグルジェノサイド

2021年5月20日、リトアニア議会は、ウイグル人の状況についてジェノサイドと認定する決議を賛成多数で可決した。欧州では、オランダ議会やイギリス議会に続く新たなジェノサイド認定となる。同様の決議は、ベルギー、イタリア、オーストラリアを含む他の国でも現在議論されている。
世界各国の国会がウイグルで起きている人道犯罪を止めるべく対応を議論している中で、リトアニアが沈黙することはできないとの強い意志の表れである。リトアニアは、2019年7月10日に国連人権理事会で、ウイグル問題で中国を非難する共同書簡に署名した国の一つであり、今年3月に中国がウイグル問題で報復制制裁を科した欧州高官10人の中にもリトアニア国会議員が含まれている。
日本ウイグル協会は、リトアニア議会の議決を心より歓迎し、尽力してくださった議員の皆様に感謝する。
決議は、ウイグルジェノサイドの法的調査を開始するよう国連に求めている。加えて、欧州議会と欧州委員会に、EUの中国との協力政策を見直し、中国の人権侵害、人道に対する罪に関する明確な立場を策定するよう要求。こうした立場は、EU・中国の投資協定の批准凍結を決めた欧州議会の決定にも反映された形となった。
ウイグルで起こっている様々な非人道的行為の実態が世界に伝えられたことを受け、ウイグル問題を深刻な人道問題として認識し、各国政府や議会、市民社会が声を上げている。
2021年1月19日、アメリカ政府が国際法上の犯罪となる「ジェノサイド」及び「人道に対する罪」に認定。
2021年2月22日、カナダ議会がジェノサイドと認定する動議を可決。
2021年2月26日、オランダ議会がジェノサイドと認定する動議を可決。
2021年4月22日、イギリス議会がジェノサイドと認定する動議を可決。
そして、G7の中では、日本を除く各国がこの問題で制裁発動に踏み切っている。
また、政界だけではなく、世界的に知られる人権団体、国際法の専門家などによる独自の調査報告書も相次いで発表されており、これらの報告書は、独自の調査を基に、多くの証拠を精査した上で、中国政府がウイグル人らに対してジェノサイドや人道に対する罪を犯し続けていると結論付け、国際社会に行動を促している。
断続的に明らかになった多くの証拠を前に、意味のない声明を繰り返す以上の行動を取らず沈黙を続ける国連に先立ち、各国の議会や民間人が行動を起こし、国際社会に対策を迫る画期的な取り組みと言えるでしょう。
4年間放置されてきたウイグルの危機的状況にようやく光が当たろうとしている。それと同時に、中国政府への非難の声が高まる一方で、ウイグル問題ほど中国が世界から激しい非難を浴びた事柄はかつてなかったでしょう。
ウイグルで起こっている悪夢を終わらせる上で、国際社会で広がりつつあるジェノサイド認定の動きが更に加速し、意味のある具体的な行動でフォローアップされていくことが一つのカギとなる。中国政府がその行動の結果に直面した場合にのみ、それ以上の虐殺行為を阻止することができる。
日本ウイグル協会は在日のウイグル人を代表し、賛成票を投じたリトアニア議会の議員の皆様に感謝する。平和や平等を大事にする日本国民、また欧米諸国と同じく普遍的価値観を共有する日本政府、日本の国会においても、恐ろしい人道犯罪を犯している中国政府に対して明確な態度を示し、それを終わらせるために一刻も早く具体的な行動を求める。
2021年5月22日
日本ウイグル協会