ウイグルジェノサイド認定をめぐる外務省担当者の発言についての声明

ウイグルで起きていることについて、2021年1月19日、アメリカ政府は、国際法上の犯罪となる「ジェノサイド(民族大量虐殺)」及び「人道に対する罪」を犯していると認定したと発表しました。バイデン新政権のブリンケン国務長官もこの認定に同意しています。カナダや欧州各国にも同様の動きが出ています。
残念なことに、その1週間後の1月26日の毎日新聞が、外務省の担当者は26日の自民党外交部会で「日本として『ジェノサイド』とは認めていない」との認識を示したと報じました。そして、その直後に中国メディアが、「日本政府は新疆ウイグル自治区でジェノサイドが行われていると考えていないと表明した」と報じました。

上記報道内容が日本政府としての公式な見解であれば、数年間に及ぶ懸命な情報収集・分析、度重なる議会での公聴会や強制収容所生還者からの聞き取り調査、専門家やシンクタンクの調査報告書などを検証・精査し、事実確認及び国際法と照らし合わせた上でアメリカ政府が至った歴史的な判断に対して、世界に先駆けて日本政府が異議を唱えることになり、中国政府による民族大量虐殺と人道に対する罪を容認するかのうような誤った印象を与えかねません。それと同時に、現在も進行中のこの大量虐殺を終わらせるために多大な責任を負ってくれたアメリカ政府やメデイア・専門家たちの必死の努力に水を差す一方で、中国政府を勇気づけ大量虐殺を更に加速させる口実を与えることになります。また、国際社会でせっかくこの大量虐殺を終わらせるための行動が始まっている中で、上記のような発信は、日本の名誉や信頼を傷つける結果にも繋がる恐れがあります。

世界中のメデイア、専門家やシンクタンクが報告している通り、ウイグルでは男性を無差別に収容し強制労働を強いる、独自文化の放棄と中国共産党への崇拝を強制し拷問を加える、女性に不妊手術を強制し、子供を親から強制的に引き離す、ウイグル独自文化の存続の立役者である著名な知識人や経済人が一斉に姿を消す悪夢のような事態が起こっています。強制収容所での不審死の報告が後を絶たず、行方不明となっている家族を探し求めているウイグル人は日本を含む世界中に溢れています。何千年も受け継がれてきた、シルクロード文化の重要な一部でもあるウイグルの独自文化や民族的なアイデンティティを絶滅させ、ウイグル人社会を根底から破壊する意図をもった非人道的且つ組織的な攻撃が進行中です。

ジェノサイド条約第2条では、ジェノサイドについて、「国民的、人種的、民族的、宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる行為」と定義されています。日本政府が本格的に調査をするのであれば、ウイグルでこの定義に合致する行為が行われていることを証明する証拠はいくらでもあります。上記報道のような誤ったメッセージを発する前に、せめて日本在住のウイグル人への聞き取り調査、専門家やアメリカ政府など各国との情報共有・事実確認をして頂けないでしょうか。すぐ隣で起きている大量虐殺行為に抗議の声を上げ、阻止するための行動を起こすことは、多くの日本国民の道徳観・価値観に合致することと存じます。今回の「日本として『ジェノサイド』とは認めていない」という、いわば公然と中国政府の行為を容認するかのようなメッセージを発することは、大量虐殺行為の犠牲に遭っている当事者として受け入れられません。

日本政府には、欧米諸国政府と連携し、21世紀には民族大量虐殺が許されないとの明確なメッセージを発して、この悪夢を終わらせるために一刻も早く具体的な行動を起こすことを望みます。

2021年1月28日
日本ウイグル協会

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