2011年9月ヨーロッパ訪問

9月13日から月末まで、当協会会長イリハムがヨーロッパ各国を訪問しました。13日 イギリス、ロンドン着
14~15日 フランス、パリ滞在
16~17日 ベルギー・ブリュッセル滞在
18~22日 ロンドン滞在
20日 ケンブリッジ大学で行われたヨーロッパ中央アジア学会のパネルプレゼンテーション、ディスカッションに参加。
23~27日 エストニア タリン滞在
24~26日 世界ウイグル女性会議、エストニア国立図書館にて開催。
27日 世界ウイグル会議 各国からの代表からの報告会、総会を行う。
28日 日本帰国

ヨーロッパ訪問報告

パリでドルクン事務総長をはじめとした、ヨーロッパやトルコの運動の実務面を担っている人たち数人と会い、これまでの運動についての反省と、これからの運動のあり方について話し合いました。
独立を求めるという目標に変わりがないことを確認し、その上で、世界ウイグル会議が指導機関として、明確な運動方針を打ち出し、指導力のある団体となるよう努めていくことを約束しました。

ブリュッセルでは、EU議会でウイグルの人権問題を訴えている世界ウイグル会議のメンバーと会い、その中でさまざまな励みとなることを聞くことができました。
EU議会の会期中に、世界ウイグル会議側から提案された議題を元にして、ウイグル問題について扱う時間を取ってくれるようになったそうです。
また国連人権理事会では、世界ウイグル会議の代表の発言は中国の妨害に合い、発言時間が非常に短くされることがあるようです。このような時に、ドイツやアメリカなどが、自分たちの時間を短くする代わりに、ウイグルのことを発言してください、と言ってくれるそうです。
更に昨年から日本も、ウイグル問題についてはっきりと強く追求するようになったと聞きました。これは、日本のみなさんの応援の成果です。そして、日本政府もこうしてウイグルの問題に目を向けて下さっていることに感謝したいと思います。

20日にはケンブリッジ大学で行われたヨーロッパ中央アジア学会「The European Society for Central Asian Studies (ESCAS)」の会議、第7会場(Governance and political developments)で行われたパネルプレゼンテーション、ディスカッション「RT Xinjiang: a contested territory」に参加しました。ここで私は、アジアにおけるウイグルの組織活動について発表しました。 (※当日のプログラムはこちら

エストニアでは世界ウイグル女性会議が開催され、その開会式などに出席した後、27日の世界ウイグル会議の総会で、各国の活動報告と、今後の計画などについて話し合いました。これまで、世界ウイグル会議から日本ウイグル協会への支援体制は十分ではなかったことへの反省と、そのような中で日本の活動が活発に行われてきたことに対し、非常に高い評価を頂きました。今後更に日本でのウイグル活動が活発化するよう、世界ウイグル会議としても日本ウイグル協会への支援を行うことを確認しました。
また今回のヨーロッパ訪問で一番感動し、共感したのが、長年ロシアの支配下にあって苦しんできたエストニアでした。
世界ウイグル女性会議の開会式にエストニアの国会議員が数名参加してくださり、「ウイグルの痛みは私たちの痛みです。私たちは中国政府と利害関係がないし、この会議についても中国政府からの妨害がありましたが、私たちは関係ありません。私たちはEUの一員であって、中国政府の指示に従うつもりはありません。会議などの催しを行いたい時は、いつでもエストニアに来てください。」と言ってくださいました。
また、エストニアの街並みを歩いていても、この国が自分たちの歴史や文化に自信と誇りを持っているというのが自然に感じられました。ソ連支配の下でも、民衆はいつも家庭の中ではエストニア語をしゃべり、自分たちの言葉を守ってきたのだそうです。
同じように侵略され支配されていても、自分たちの文化、歴史、言語、信仰に対しての誇りを持ち、それを守りさえすれば、民族は決して滅びないし、いつかこうして独立することができるのではないかと感じました。

今回のヨーロッパ訪問は、感動させられることも多く、実りが多いものになりました。
残念なこととしては、ウイグルと同民族であるはずのトルコ政府は、ウイグル問題を中国に積極的に言おうとはしないということです。
また、ヨーロッパの政治家と話しをして感じたのは、ウイグルの問題を理解し、中国に強い態度で接してくださるものの、中国政府の本質、中華思想の本質を理解していないということでした。
これは世界ウイグル会議側の訴え方の問題でもあります。ウイグルでの虐殺や人権弾圧を訴えるとともに、中華思想の本質、中国政府の思想の残酷さを伝え、このような思想や精神に根差している政府だからこそ、ウイグルは弾圧され酷い目に合っているのだという、中国の本質をわかりやすく伝えていくことが今後の課題だと思いました。

帰国後10月1日、神奈川県議会で、自民党の神奈川県議連の方々と、政治家を志す若い人たち、70人ほどの前でお話しする機会をいただきました。そこで、ウイグルの現状を話すと共に、政治家を志す人ならば、この国をどう守るのか、国民をどう守るのかを真剣に考えてほしい、と話しました。
日本国が自分で自分の国を守る意識を持ち、外交・防衛策を取れなければ、いつか国家としての危機がくると思います。ウイグルに同情するよりも、日本の政治家と国民の皆様には、まず日本の国を、国民を守る意思を持ってほしいと思います。

(文責:日本ウイグル協会会長 イリハム)

 

ヨーロッパ滞在中の写真

 


ヨーロッパ中央アジア学会開会式

ヨーロッパ中央アジア学会開会式

 


ヨーロッパ中央アジア学会パネルプレゼンテーション

ヨーロッパ中央アジア学会会場前

 


イギリス ロンドン
左からドルクン・エイサ(WUC事務総長)、カイサル・オズフン(ウイグルペン総裁)、エルキン・エメット(WUC事務副総長)、エルキン・エクレム(アンカラ大学教授)、アニワル・トフティ(イギリスウイグル協会設立者)、イリハム *敬称略

フランス パリ
左からエルキン・エクレム、エルキン・エメット、ウプル・ハジ、イリハム、ドルクン・エイサ、エヘット・ハジ

 


フランス パリ
左から エルキン・エメット、イリハム、エヘット・ハジ、ドルクン・エイサ、ウプル・ハジ

エストニア タリン
左から トゥユグン・アブドワリ、ハイルラ・エペンディ、イリハム、セイット・トムトルコ(WUC副総裁)、ハミット(カザフ人)、メメット・トフティ(WUCヨーロッパ議会駐在員)

 

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