2012年2月5日 グルジャ事件追悼行事 報告

 

2012年2月5日 グルジャ事件追悼行事 報告 日本ウイグル協会の活動の紹介

youtube動画 2012年2月5日 グルジャ事件記念講演

本行事の案内は、こちらのページをご覧ください。 2012年2月5日 グルジャ事件追悼行事について

2012年2月5日 グルジャ事件追悼行事 報告

さる2月5日、1997年にグルジャで発生した弾圧・虐殺事件の追悼行事を東京文京区、文京シビックセンター区民会議室にて開催致しました。今回はイリハム会長を講師に、初めての試みとして、協会会員向けの勉強会という形式で行いました。

事件の犠牲となった人々に一分間の黙祷を捧げたのち、イリハム会長より、グルジャ事件発生の背景についてと、最近のウイグル状勢について説明がなされました。

グルジャ事件の背景
グルジャは商売人の多い地域で、中国本土との行き来が多い。これもあってか、覚醒剤などの薬物が広がる様になり、80年代後半から90年代には薬で命を落とす者が増え、家族の崩壊が見られる様になった。
92年から、ウイグル人の若者たちを中心に、薬物使用の撲滅運動が行われる様になった。スポーツと、一緒にスポーツをする仲間を通じて、薬物からの離脱と健康増進を図ろうというものであり、サッカーチームが作られ、試合が開催される様になった。
これに対し当局は、サッカーグラウンド設備を持つ全ての企業・機関あてに、個人レベルへのグラウンド貸出しを拒否する様に命じた。以降、サッカーの試合当日に会場に行くと、グラウンドをわざと水浸しにして使用できない様にしてある、などと言う事が行われる様になった。当局に対する反発から、1994年にもグルジャでデモが行われている。
ウイグルではマシュラップと呼ばれるものがある。これは人々の社会的な集まりを指し、前述のようなスポーツのマシュラップ、皆で集まって舞踊を行う踊りのマシュラップ、会食のマシュラップ、宗教の話をするマシュラップ、歴史の話をするマシュラップなどがある。例えば歴史のマシュラップでは、学校では教えてもらえない、ウイグルの歴史知識が得られる場になっている。
1996年秋頃から、マシュラップを開催しようとすると、会場となる場所が封鎖されてしまう様になった。
1997年のラマダン期間中、警察が突如踏み込み、女性を含む人々が連行される、と言う事件が起きた。他の人々が警察署に行くと、既に二人の女性が撲殺された後であった。
2月5日、ついにグルジャにて大規模なデモが行われた。デモ隊は政府の建物に向かったが、途中、無差別な銃火に迎えられる事となる。さらに同夜、無差別逮捕が行われ、(この点は、ウルムチ事件と同じやり方である。)また、多くの人々をスポーツグラウンドに閉じ込め、零下20度以下にもなる外気の下、放水。多くを死に至らしめた。
のち1年半位、抵抗運動は続けられたが、彼らは皆、逮捕され死刑を宣告された。

はじめに話した覚醒剤について、誰が密売人であるか、皆が知っている事であったが、何故か逮捕されなかった。警察もグルであった為とも思われるが、薬物でウイグル人の意欲を奪う目的があったのではないか、と言う疑いも残る。ある漢人が、エイズ予防の啓蒙活動を行ったら、北京に送り返された、などと言う事例もある。

グルジャは、水があり、森も山も豊かで、ウイグルの小麦の半分を生産している重要な地域である。何より1944年の第二次東トルキスタン共和国ゆかりの地であり、中国当局も厳しい警戒の目を向ける地であろう。

最近のウイグル状勢
昨年は5000人であった警察官募集人数が今年は8000人と増え、各村に配置する体制を取ることになった。さらに多数のウイグル人アルバイトを募集している。

資源開発権を個人企業に販売しているが、経済力のある漢人企業が購入し、漢人が働く事になる。これらは国の政策による移民に加えて、民間企業による移民と言う形で、ウイグルへの漢人流入を促進する。

水資源枯渇の為、黄海の水をウイグルに送るプロジェクトがある。政府は否定しているが、実際に現地で有識者が集まり会議を行っている。あまりに荒唐無稽で、中国の学者の間にも反対論があると言う話である。

ウイグル地域でひげを伸ばす事を禁止する規則は、これまで文書化されたものが無かったが、アクスのケリピンと言う場所の学校で正式文書で出された。この規則を拒否したウイグル人教師4名はボーナスのカットという処分を受けた。なお、女性の被るスカーフも宗教的伝統に基づくものだが、規制されている。

昨年末のホータン事件について、中国側の発表の嘘が明らかになってきている。現地のベテランガイドも、ホータン地区グマ県から国外に逃げると言うのは不可能だとしている。実際はウイグル人二家族と警察が何らかの原因で揉め、武装警察を呼んで無差別に殺害したのではないかと思われる。ナイフの所持が殺害理由となっているが、ウイグル人は伝統的にみな持っているものである。6歳の子供まで石を投げたと言う理由で殺害されている。

現地の人民代表会議で、人種や男女の差別などの禁止が決定された。裏を返せば、現在そう言った差別が存在している事の証左である。

北京で先週から包丁を購入する人はIDが必要になった。包丁1本1本にもIDが付けられる。元朝末期、人々は10世帯で1本の包丁を共有するという決まりがあったがこれに似ている。

ウルムチの地下鉄工事で、ウイグル人たちが強制的に移住させられている。指定された移住先は、何故かセメント原料の工場や発電所、鉄鋼工場の近くなど環境の悪い場所ばかりで、健康を害して自費でさらに移住する人も多い。ウイグル人居住地域の分散化の意図も疑われる。

人身売買の犠牲になっていたウイグル人児童1000人以上が救出されたが、20年前から児童が誘拐され売買されている。やればできる事をなぜ今まで放置してきたのか疑問が残る。

これらの話の後、質疑応答が行われ、勉強会は終了となりました。ご参加頂いた会員の皆様、有難うございました。

追悼行事の後に、2012年5月の世界ウイグル会議代表大会に向けた説明なども行いました。そのため、今回の記念行事は協会会員向けとさせて頂きました。
今後も従来通り、どなたでも参加いただけます行事を予定しておりますので、引き続きのご参加とご協力の程よろしくお願い致します。

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