テロ対策法は少数民族締め付けの「免罪符」? 新疆ウイグル自治区トップ「一部がイスラム国に参加」 : 産経ニュース


2015.3.10 19:25

 【北京=西見由章】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会が審議している「テロ対策法案」に、国外ウイグル人らの懸念が強まっている。新疆ウイグル自治区で暴力事件が頻発する中、少数民族に対する締め付けを強化する“免罪符”になりかねないからだ。開会中の全人代では、自治区幹部が「法治」を盾に強硬措置の必要性を訴えた。

 「テロ分子には法に基づいた打撃を加えねばならない」。10日開催された全人代新疆ウイグル自治区代表団の会議で、自治区幹部が強調した。テロ対策法を念頭にした発言とみられる。

 別の幹部は「新疆はテロが活発化している。95%は未然に防いだが多くの情報は一般人から寄せられ、テロ分子の家族からの通報もあった」と述べた。

 自治区トップの張春賢・党委書記は「新疆の一部のテロ分子は『イスラム国』に参加している」と明言し、イスラム過激主義への対策が急務と唱えた。

 テロ対策法案はこうした「テロ行為」の防止と摘発を名目としているが、禁止事項には「他人を宗教活動に強制すること」も含まれる。拡大解釈によって、一般的な布教活動まで規制される恐れもある。


 また「国家の政策をそしり、政府の法による管理に抵抗すること」も禁止されていることから、政府批判や陳情も取り締まりの対象となる可能性がある。

 テロ活動に関与の疑いがある人物の移動や経済活動の自由制限を規定している条項はテロ活動の定義があいまいで、一般市民の権利侵害につながりかねない。

 テロ対策法について日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ代表は「法律を武器に『テロリスト』と言いがかりをつけ、迫害がさらにエスカレートするのではないか」と懸念を示し、抗議声明を出すことを検討していると明らかにした。

 イリハム氏は「少数民族への迫害で批判をかわすのが目的だ。情報の管理がさらに厳しくなり、ウイグル人の居住地域で起きていることが外に漏れるのはより難しくなる」と話した。


テロ対策法は少数民族締め付けの「免罪符」? 新疆ウイグル自治区トップ「一部がイスラム国に参加」 : 産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/150310/wor1503100060-n1.html