日本ウイグル協会 Japan Uyghur Association
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2011年2月5日(土)第三回グルジャ事件追悼行事 〜活動報告 日本ウイグル協会の活動の紹介

2011年2月5日(土)第三回グルジャ事件追悼行事 〜活動報告

グルジャ事件が起きた13年目の日にあたる2月5日、日本ウイグル協会主催によるグルジャ事件追悼の集会を行いました。
協会会長イリハムよりの挨拶、黙祷の後、山梨学院大学教授の原百年氏より基調講演をして頂きました。
グルジャ事件などに見られる民族問題について、ナショナリズム政治研究者の立場より、その背景をお話頂きました。


ヨーロッパでルネッサンスや啓蒙思想によって自由や人権思想が発達し、その上でナショナリズムが展開していった、そしてネイション・ステイト(国民国家)となった西洋諸国は富国強兵に成功し、これが世界のスタンダードになったと説明されました。
後進国の日本と、日本に学んだ中国のナショナリズムは、前提となる人権思想の定着が十分でないまま形式的にナショナリズムを導入せざるを得ず、これが中国で今日も見られる人権思想が不在のままの、非人道的なナショナリズムとなってしまいました。

中国はネイション・ステイトを形成する際、伝統的な中国ではなく清朝の統治地域を範囲としました。
そして中国のナショナリズムは「中華・漢族文化」の独自性の追求と、中国国内の民族の均質性の追求となり、これが中華主義へとつながっていき、少数民族の文化的、政治的、経済的な主権の否定となって、様々な問題のある政策が行われるに至っています。
これが東トルキスタンで起きる紛争の源となっていると説明されました。

中国政府が東トルキスタンで行っている同化政策として、漢族の大量移民、それと同時に行われる若い女性の内陸部への強制移動、民族間の結婚の奨励、漢族文化の強制、少数民族文化の破壊などがあります。
このような同化政策が行われる背景には中華主義があり、それが少数民族への蔑視と異宗教への蔑視となります。
少数民族の主権は否定されており、具体的には以下のようなことが行われています。
生存権の否定:産児制限や核実験、武力弾圧、獄中死
自由権の否定:監視、強制連行、拷問、言論弾圧、宗教弾圧
経済発展からの排除:工業部門、石油資源部門、観光部門の漢族支配
政治権力の剥奪:制服を着た漢族の増加、官僚ポストの漢族支配

近代以降、いずれの国家もネイション.ステイトとして形成されてきているため、国連や国際社会は中国に対してナショナリズムを抑えるよう圧力をかけることはできないであろうこと、そのためにも非政府組織による草の根運動が重要であり、また日本としてできることは普遍的人権意識を高め、自国内のマイノリティの権利を擁護すること、これによって中国政府への圧力が可能になる、と結論されました。


グルジャ事件についてだけではなく、問題の原因や背景を分かりやすく論理的にお話頂き、非常に学ばされるところの大きな講演を頂けました。

東トルキスタンの民族問題を解決していくためには、国際社会や国連、支援してくれる国家に、中国に対抗してもらいたいと望んでしまい勝ちですが、普遍的人権の尊重ということを草の根的に広げていき、これを中国政府にも中国の民衆にも求めていく姿勢も重要であると思わされます。

貴重な講演を頂けました原先生、またご参加頂きました参加者の皆様、ありがとうございました。
追悼行事の告知

※グルジャ事件追悼行事の告知や案内は、こちらのページをご覧ください。
2011年2月5日(土)第三回グルジャ事件追悼行事のお知らせ


日本ウイグル協会グルジャ事件追悼集会講演 原百年氏 1 ナショナリズム


日本ウイグル協会グルジャ事件追悼集会講演 原百年氏 2東トルキスタン


日本ウイグル協会グルジャ事件追悼集会講演 原百年氏3
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